奏多
綺麗だねー!
夕方の海が1番好きだ!
夕方の海が1番好きだ!
凛
私も夕方の海が好き!
奏多
凛ちゃんと一緒に来られて
良かったよ!
良かったよ!
奏多
今日で付き合って
10年だね!!!
10年だね!!!
奏多
10年間ありがとう
凛
急にどうしたの💦
ありがとね!
ありがとね!
凛
私も奏多と来られて
良かった!
良かった!
奏多
凛ちゃん!
えと、えっと
えと、えっと
奏多
こんなに
緊張するかなー
緊張するかなー
凛
えっ??
どうした??
ゆっくりでいいよ
どうした??
ゆっくりでいいよ
奏多
ありがとう!
凛ちゃんに
伝えたいことがある
聞いて欲しい!
凛ちゃんに
伝えたいことがある
聞いて欲しい!
奏多
凛ちゃん!
10年間ありがとう。
10年間ありがとう。
奏多
俺は凛ちゃんといられて
幸せだった。
どんな日も
凛ちゃんのおかげで
幸せでいられた。
幸せだった。
どんな日も
凛ちゃんのおかげで
幸せでいられた。
凛
はい。
奏多
これから先も
ずっとずっと
一緒にいて欲しい
ずっとずっと
一緒にいて欲しい
奏多
だから自分と
結婚してください
結婚してください
キラキラ光る夕方の海 波打つ音
目の前で指輪の箱を開けて 見つめてくれる最愛の人
この世界が とても綺麗で 最高の瞬間だった
凛
はい、はい!
もちろん!
どうぞよろしく
お願いします!!!
もちろん!
どうぞよろしく
お願いします!!!
奏多
や、や、やったー!!!
大人気ないくらい 大喜びする奏多が とても愛おしく感じた
奏多
凛ちゃん!!!
これからもよろしくね!
これからもよろしくね!
奏多
これ、凛ちゃんに。
凛
ええ!
かすみ草の花束だ!!!
ありがとう!
かすみ草の花束だ!!!
ありがとう!
プロポーズを受ける少し前 奏多から理想のプロポーズを 聞かれたことがあった
その時私は かすみ草の花束が欲しいと答えた
かすみ草は主役ではないけれど その控えめな印象と 他の花を引き立てるところが とても好きだった
奏多からのプロポーズは 私の理想そのもの いや 理想以上のものだった
奏多(職場)
ここ、、ですか??
婚約者さんに
プロポーズされた場所。
婚約者さんに
プロポーズされた場所。
凛
うん!そうだよ
ちょうどこのくらいの
気候で夕方の海だった
ちょうどこのくらいの
気候で夕方の海だった
奏多(職場)
そうですか。
とても素敵ですね!
やっぱり立花さんの
婚約者さんだから
素敵な方ですよね。
とても素敵ですね!
やっぱり立花さんの
婚約者さんだから
素敵な方ですよね。
凛
うん。
とてもとても
私にはもったいない
くらいにね!
とてもとても
私にはもったいない
くらいにね!
凛
って私の惚気話を
しに来たわけ
じゃないから(笑)
しに来たわけ
じゃないから(笑)
私は泣かないようにと できるだけ明るく振舞ったが 今にも涙が零れ落ちそうだった
凛
さ!
早く写真撮って
帰ろう
早く写真撮って
帰ろう
奏多(職場)
あ!はい!
そうですね!
そうですね!
凛
写真撮ってて!
私ちょっと木陰にいるね
私ちょっと木陰にいるね
奏多(職場)
分かりました!
立花さん足元気をつけて
立花さん足元気をつけて
凛
ありがとうー
それにしても 夕陽に当たる松永君の横顔が 奏多に似て見えてしまう
そういえばいつも海辺で 私はこの木陰小屋のような 柱だけの小さなベンチに座っていた
その時ベンチの下に 綺麗に並べられた冊子を見つけた
凛
うん??これなんだろ。
ノート、、かな
ノート、、かな
凛
2冊あるけど
落とし物かな
落とし物かな
ノートの下欄に 「松永奏多」 と名前が記してあった
凛
うそ!
まさかね!
まさかね!
おそるおそる ノートを開こうとした時
奏多(職場)
立花さーん!
写真撮れました!
行きましょうー
写真撮れました!
行きましょうー
凛
あ!お疲れ様!
今行くね!!!
今行くね!!!
遠くからの松永君の声に 私はとっさにカバンに 2冊のノートを入れた
届くはずのなかったノートを