俺の家は代々水春組に仕えている

あちらが子供を産むタイミングに合わせてなにがなんでも子供を作って来たらしい

その理由はボディーガードの為

同い年であればいつも近くに居られるから

歩けるようになってからすぐに俺の家系は訓練を始める

そして小学校に上がる時には大人にも余裕で勝てるほどの強さを持たなければならない

そのため甘えなど一切なく

物心ついた頃から両親は俺に常に厳しくしてきた

小学校に上がる前、あることを父上に言われた

それから何十人、何百人と倒してきた

なにせ水春組は世界中に知れ渡るほどの組

そのため金目的、恨み、そんな理由で子供を狙うやつが多い

一度大人30人とやり合った事があった

その時は流石にボロボロになった

でもどうにか守りながら高校まで上がった

俺は感情を持ってはならない

持っていいのは水桜様を襲おうとするやつへの殺意だけ

でも、俺だって人間だ

どうしても他の感情だって出てしまう

貴方が好きという感情が…

この家系に産まれなければ…

でもこの家系に産まれたからこそ

水桜様に出会えて

何1つ不自由なく過ごせている

〜水桜視点〜

俺は水春組という組の子供として生まれた

そしてずっと水春組に仕えているという紗和の家系に守られながら育った

小学生からは正式に紗和が俺のボディーガードになった

紗和は強い、いつでも俺を守ってくれる

紗和は感情を出さない

お父様に聞いたらそう育てられるのだとか

一緒にいて笑顔を見たのはたった一回

その一回ですら本当に笑ったの？というぐらい一瞬だった

ｶﾞﾗｶﾞﾗ

水桜様はドラケンが好き

少し前に相談された

「男が好きって変かな」

そんなことを言われたが自分が男が好きな以上返せる答えは決まっていた

「そんなことないですよ、…応援してます！」

〜ドラケン視点〜

高校から一緒になった二人

二人とも凄く有名な家系の人間で常にクラスメイトに囲まれたいる

紗和は全く感情を出さない

高校に入ってからずっと一緒に居るにも関わらず

一度も笑った顔、泣いた顔、怒った顔

そんな顔一度も見たことはなかった

たまたま一緒に帰った日水桜目当てに襲って来た大人数人を一瞬で倒していたのを見たことはあった

その時の顔は殺意でいっぱいだった

水桜が俺と話して居る時

なんとなく紗和が苦しそうな顔をしているような気がした

無表情なのにどこか、苦しんでいるような気がしていた

逆に俺が紗和と話していると水桜が悲しそうな顔をしているような気がして

どうしたらいいのかわからなかった

俺は紗和が好きだから、紗和に寄り添ってやりたい

でも大事な友達である水桜をほっとく事もできなかった