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タマ之助ー。

おいでー、ご飯だよー。

タマ之助

ミャーミャー

おーおー、そんなにお腹すいてたのかー。

タマ之助

ミャー

たくさんお食べー。

今日

私にも家族ができた

夜道、1人で寒そうに縮こまって

震えていた猫を拾った。

タマ之助なんて、笑えるよな。

でも、愛嬌があっていい名前じゃないか!

こんな、独り身の私の所に、来てくれて、嬉しいよ。

タマ之助

ミャーミャー

お、もう食べ終わったのか、そんなにお腹すいてたんだなー。

タマ之助

ミャーミャーミャーミャー

ふふ笑

これでも結構多めにあげたんだからなぁ。

食べ過ぎは良くないぞー?

タマ之助

ミャー

よし、お利口さんだ。

タマ之助はゴロゴロ喉を鳴らしながら

何の警戒心もなく

私の膝で眠った。

それがタマ之助との出会いだ。

タマ之助ー。

おいでー、ごはんだよー。

タマ之助

...。

ん、珍しいなぁ。

あの食いしん坊のタマ之助が、無反応とは、、

今日はタマ之助と出会って

丁度、一年記念日

今日は特別に、奮発して

いつもより豪華なメニューにしたのに、、

一切、餌に興味を持たない。

どうした、タマ之助、調子悪いのか?

タマ之助

...。

うーん。

まぁ、お腹が空いたら、いつでもお食べ。

30分後

タマ之助ー?

タマ之助

...。

まだ、食べてないのか、、

心配だな。。

それにしても、30分前からずっと玄関の方を見ているな。。

何かあるのか?

私は玄関に目をやった

特に変わった様子もなく

ただの玄関を正面に

スっと、座ったまま

ジーッと玄関を眺めている。

なんだか様子がおかしいな。

とりあえず、動物病院に連れていこう。

私はクローゼットへ向かい

外行きの服装へ着替えた。

すると、窓から眩いぐらいの光が差し込んできた。

日中だが、明らかに太陽の光以上に、眩しい光が

家全体を包むように

家の窓という窓から

光が差し込んだ。

タマ之助

ミャー

タマ之助!

私は急いでタマ之助の元へ駆けつけた

タ、タマ之助?

タマ之助

...。

タマ之助、どうして

タマ之助は

まるで人間のように

2足で、佇んで

玄関を背に

こちらを向いていた。

何が起きたんだ。

ガチャ

玄関の扉が開いた。

...。

そこには

二足歩行で

服を着た

猫が2匹立っていた。

一体、、、。

夢なのか。?

タマ之助

パパ

えっ。

タマ之助

パパ、ごめんね。

タマ之助、、、

が、、

し、喋った、、?

何が起こったのか

どういう状況なのか

全く理解できない。

猫A

既に時間は過ぎていますが、後に調節できますので。

猫B

最後に、お伝えすることがあるなら、どうぞ。

え、時間?

タマ之助

パパ

パパ?

タマ之助

あなたは私のパパ

タマ之助。。

タマ之助

1年前、パパは、私を拾ったよね。

あ、あぁ。

タマ之助

それは、研究の為に、わざとパパに拾われるように、あの場所で、あの状況で、パパを待っていたの。

え、、

そうなのか、、

でも、研究って、、

一体なんの、、

タマ之助

人間の特性について、調べる必要があったの、、

タマ之助

今まで、騙していたみたいでごめんね、、。

ということは、今までの、私とタマ之助の生活は偽りで研究だったという、、

タマ之助

違う!

タマ之助

最初は研究のためだったけど

タマ之助

私、性別はメスなのに

タマ之助

タマ之助なんて変な名前

タマ之助

付けられて、、

タマ之助

嫌だったけど、

タマ之助

パパが何度も優しく私をその名前で呼ぶ度に

タマ之助

その名前が好きになって

タマ之助

研究なんて、二の次で

タマ之助

パパとの生活がずっと続けばいいのにと思っていたの。。

タマ之助、、

ごめんよ、私は、ネーミングセンスとやらは皆無で。

ましてや、オスメスの見分け方がわからなかったから。。

雰囲気で付けてしまったんだ。

タマ之助

ううん。

タマ之助

この名前はパパからもらった、特別な宝物だから。

タマ之助

でも、今日で研究は終わりなの。

そうか、、

研究が終わるということは

タマ之助

そう、、

タマ之助

私は、この猫達と、元の世界へ戻るわ。。

じゃぁ、、

また、私は、、

一人か、、。

せっかく、家族が出来たと思ったのに、、。

タマ之助

ごめん。。

タマ之助

ごめんね、パパ。。

仕方ないことだね。。

タマ之助

パパに出会う前は

タマ之助

人間は自分の好きな時だけ

タマ之助

愛でて

タマ之助

飽きたら

タマ之助

捨てる

タマ之助

餌だって

タマ之助

無償でくれる代わりに

タマ之助

それは飼い主のさじ加減で

タマ之助

時間はいつも適当で

タマ之助

メニューはいつも一緒。

タマ之助

人間の研究なんて、本当はもうウンザリだったの。。

タマ之助

でも、パパと出会って

タマ之助

優しい生活の中に

タマ之助

安心している私がいたの。。

タマ之助。。

タマ之助

ありがとう。。

いいんだ。私もタマ之助以外に優しく、接されたことなんてなかった。

人間の社会は、猫にだけじゃなく、人間にも、好きな時にだけ愛でては、飽きたら捨てられるんだ。

そんな世界が嫌いで、私はずっと、独りだ。。

確かに寂しい。

でも、タマ之助が居た生活は、毎日が優しく輝いていた。

猫A

お時間です。

タマ之助

嬉しいわ、パパ。

タマ之助

ありがとう。

タマ之助

さよなら。。

タマ之助!

いつでも帰っておいで。

お前の家はここだよ。

猫A

失礼します。

ガチャ

玄関がゆっくり

閉まった。

家を包んでいた光が

空に向かって行くのが

家の中に居てもわかった。

さよなら。

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