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テラーノベル(Teller Novel)

本当に良いのか?

りの

はい。

では1ヶ月間だけだ。

お前は人間界で生活する。

だが、条件がある。

りの

…条件、?

1、

生きている人間になり切る事。

この世から来た者だと、バレてはならぬ。

2、

悲しい気持ちを出さない事。

お前の気持ちによっては、体が透ける事がある。

バレないように、感情を表に出すな。

3、

もうこのチャンスを使ってしまったら、

もう二度と、

人間界に行く事は出来ぬ。

これが条件だ。

それでも行くか。

りの

…はい、

りの

行かせてください。

…。

りの

は…、

こうして私は人間界に降りてきた

…和くんの前に。

でもまず、

私が天国に行った理由を説明するね

遡ること13年前____

私と和くんは4歳だった

同じ幼稚園に通っていて

産まれた病院も同じだった

いわゆる幼なじみだ。

親同士も仲が良かったため

毎日のように2人で遊んでいた

りのママ

ボールは気をつけて使うのよ?

りの

はぁーい

和也ママ

分かった?

和也

はぁい

りの

きゃはっ😆

和也

りのちゃんじょうずだね

りの

和くんもじょうずだねっ

そして私の投げたボールが

転がっていった

りの

あっ、ボールがぁ…、

私は追いかけて走った

りのママ

りのちゃんだめ!!!

ボールを追うのに一生懸命だった私

周りの声など聞こえず

ただただ追いかけた

ボールを拾いあげて横を見る

和也

りのちゃんっ!!!!

和也ママ

和也っ!!!

私はトラックにはねられた

飛び出した私を避けさせようと

私の後を追いかけてきた和くんまで

巻き込んでしまったのだ

私はこの時に亡くなったが

和くんは何とか一命を取り留めた

その代償も大きく

和くんの記憶は全て無くなった

あの事故があってから

17歳になる今まで

和くんはこの事で私を恨んでいる

と思っていたのだが、

全然違った。

和くんは産まれてから4年間の記憶と

あの事故の事全てを

知ることなく生活していた

お母さんの気遣いだろう。

だから、

私と幼なじみだったことも

ずっと2人で遊んでいたことも

まず私が存在していたことすら 知らないのだ。

だから

和くんとぶつかった時

名前を呼びかけたけど

何もバレなかった

それから1ヶ月間

私は和くんとの生活を送った

とても幸せで、充実した1ヶ月間。

和也

…俺、実は、、、

告白されるって

そう思った

でも、もう消えかけてるって事も

少し分かった。

和也

…え、?

りの

私、何言うか分かっちゃった、☺️

りの

…ありがとう。

りの

嬉しいよ、

りの

和くん、☺️(涙

和也

…え、

こうして私は消えた

りの

ん…

その場に泣き崩れた

とにかく涙が溢れ出た

…。

私の前に神様が現れた

りの

…(泣

私は過呼吸を起こしながらも

お礼を言った

りの

…ありがとうございました泣

りの

ありがとうございました…、(涙

そんな何度も言うでない。

そして立ち上がるのだ。

りの

…、。

これでもうお前が人間界に降りられるチャンスは無くなった。

分かっておるな?

りの

…はい。

…お前は可哀想な者だ。

りの

…え、?

…お前は愛されているのだが、

思いを伝える事は出来ぬ。

そして人間界で残した思い出も

もう既に全て消えておる。

りの

え…、

りの

写真も、記憶も、全て…、?

いや、記憶は残っておる。

お前に関しては、

相手の記憶にすら残っていない、

珍しい者だからな。

りの

りの

…ありがとうございます。

りの

相手の方の記憶に、

りの

私を刻めた事が嬉しいのです。

…お前は良い子だ。

りの

…え、

もう一度、

別のチャンスをやろう。

りの

チャン…ス…、

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