起きて倦怠感があって他の症状も出て収まってそらるさんがデートに出かけるとこまでは同じです

ピーンポーン

ガチャ

ガチャ

ボクは無理矢理体を起こした

深呼吸する

天ちゃんの声は少し怒りを帯びていた

そこでふらつきそうになったのでベットに右手をつく

そしてやるべき事をすることにした

天ちゃんから受け取り書き始める

書き終えて2つに折りたたむと天ちゃんに渡す

その後色々して全て終わると

視界が歪みベットに倒れ込む

天ちゃんは全てを察したようだった

俺はうらさんと一緒にお粥を作っていた

そして冷蔵庫を開けようとしたその時

天月の悲痛な叫び声が響き俺はうらさんと共にまふの部屋へ飛び込んだ

まふは必死に言葉を紡いでいた

まふの一言で全てがわかった

まふは死にかけている

まふは笑っていう

するとまふの目から涙が零れた

まふはもう腕も上がらないようでそのまま涙を流していた

めったに泣かないうらさんでさえ肩を震わせていた

しばらくしてまふがビクリと震えた

まふは光をなくした目で辺りを見ていた

そして天月は右手俺とうらさんは左手を握った

弱い力で握り返される

まふの目から最後の涙が零れた

力が抜ける

それだけで分かった

まふが

死んだ

涙が溢れて止まらなかった

しばらく3人の泣き声が響いていた

俺は怒りが抑えられなくなりそうで

俺はまふくんの眠るベットに突っ伏してそらるさんを待った

しかしまふくんの匂いを嗅ぐとまた涙が溢れる

楓とデートを楽しんでいると

プルルルル

声の低さに驚く

ブツ

ガチャ

家に入ると

目の周りを赤くした坂田がいた

聞く前に手を引っ張られる

連れてこられたのはまふの部屋

電話越しでは気づかなかったが

坂田の声は震えていた

俺は嫌な予感を振り払うように勢いよく部屋に入った

そこには

ベットに横たわるまふと

ベットに突っ伏して泣いている天月

起こったことが予想出来て

俺はよろけながらまふに近づいた

まふの瞼は固く閉ざされたまま

手を握ると

すごく冷たかった

すると天月がゆっくり起き上がった

そこから

お通夜があって

お葬式があった

その日のうちに

俺のTwitterでリスナーさんたちに報告した

その反応を見て

本当にまふは愛されてたんだなって思う

そして挨拶まで全て終わり

家に帰ってきた

ガチャ

帰ってくる声はもう無い

俺は喪服のまままふのベットに座った

ガチャ

渡されたのは2つ折りの紙

俺は手紙を開いた

愛しのそらるさんへ

突然死んじゃってごめんなさい

まあ、書いてる時は生きてるんで変な感じですけどw

僕は紫髪病という病気でした

でもそらるさんのせいじゃありません

そらるさんのことを諦めきれなかった

僕が悪いんです

そらるさんと楓さんが幸せになるのを選んで

僕は死んだんです

なので間違っても

僕の後を追って死ぬだの

まふが居ないと生きていけないだの

言わないでくださいねw

まあ正直嬉しいんですけど

もし楓さんと上手くいかなくて

別れた時でも死なないでください

僕がいなくてもそらるさんはきっと

AftertheRainを続けていけます

残りの時間で作りだめた曲の入ったUSBが

引き出しの1番上の段に入ってます

良ければ歌ってください

最期の最期まで大好きでした

これからもずっと

まふまふより

P,S,

死んだ後頑張ってそらるさんに会いに行きます

時間がかかるかもしれないけど待っててください

俺はパソコンに向かった

紫髪病

俺は紫髪病の説明を読み目を見開いた

思いっきりパソコンの机を叩く

しかし手紙の内容を思い出す

そこで俺は自分の気持ちに気づいた

すぐ楓に連絡する

まふが死んでから初めて流した涙だった

背後から差し出されたハンカチを受け取って

気づいた

振り返ろうとして肩を戻される

ペタンと床に座り込む

まふが俺と背中合わせに座る

その背中は

温かかった

俺は目をつぶって振り返る

細い手が俺の頬を包み

唇を触れ合わせる

俺はもう一度まふと背中合わせになり目を開ける

ボクがいたのは

一面真っ青な空の中に伸びる白い階段

カツンカツン

階段を登り終えると

白い扉と羽の生えた女の人がいた

天使が指し示したのは白い扉

ボクは迷うことなく扉を開けて…

俺のバカにしたような声に気づいたのか

まふは駄々っ子のような声で答える

なかなかそらるさんが信じてくれなくて

つい頬を膨らませてそらるさんを睨む

ボクはそらるさんの背中を手でボンと押した

頼れるそらるさんに向けていた視線をすこし緩める

元に戻す

ガチャ

しばらくして

タンス越しのまふの声に3人は叫ぶ

まふが全てを説明する

ガタゴト

ガタン

スタート

終了

生放送開始

うーん

1時間半ぐらいたって

ばいばーい！

生放送終了

歌いました

終わりました

すーぱーぬこになれんかった

すーぱーぬこになりたい

ねこがまるくなった

まふを見ないように近づいていく

まふのほうから手を繋いでくる

歌い終わって

まふの一言で俺達は現実に引き戻された

勢いよく振り返るとそこには

変わらないまふの姿があった

すると本物の天使が舞い降りた

まふはゴソゴソとポケットを漁りなにかを出した

それは2組の銀色に輝く指輪だった

まふが俺の指にとおしてくれる

俺もまふの細い指に指輪を通す

するとまふが顔を近づけてくる

そして耳に囁かれた

天使がまふの手を握る

まふは最高の笑顔で

消えていった

ばいばーい！

1年後

俺はとあるツイートをした

YESorNO

アンケートのツイートだ

結果は

YESだった

もうすでにやるべき事は全てしていた

あの時

まふに言われたこと

俺は指輪を額に当てて

呟いた

そこには真っ白な羽の生えた

空から舞い降りた天使がいた

そして俺は

空に溶けていった…