悠佑
……、助けてもらった
ことに感謝はしとるけど
ことに感謝はしとるけど
悠佑
やからって、恋人には
できんわ!
できんわ!
ため息混じりにそう吐き出す。 あって数秒の輩に告ってきた奴に。
りうら
ええ〜なんでなんで?
りうら
僕が人魚だから?
悠佑
……それも、あるけど
コイツは人魚、性別は知らないが、 人魚なのだ。もちろん、無視できない
悠佑
でも、それよりも俺は、
りうら
?
分からない、といったような 顔している。わかれよ。 今の時代、今の社会を考えれば…
悠佑
初対面のしかも!
悠佑
なんも知らん…いや
名前は知っとるけど、!
名前は知っとるけど、!
悠佑
そんな相手に!今の社会!
告白する奴があるか!!
告白する奴があるか!!
この結論に至るだろう。
りうら
何がいけないの?
僕のところでは
即告ってOKなのに
僕のところでは
即告ってOKなのに
悠佑
……人魚やからか…
そうだ、人魚って常時上半身裸… いや全身ほぼ丸出しの奴らだったわ
悠佑
ともかく!こっちでは
そんなことあかんの!
そんなことあかんの!
りうら
絶対?
そんな顔してもこれだけは絶対に 譲れない。譲ってはならない 倫理観、というものだ!
悠佑
ぜぅぇーったい!!
りうら
えええええ!!
そない驚くことか、と疑問にすら思う それほどの渾身の叫びだった。
りうら
うう…なんでぇ…
りうら
一世一代の告白だよぉ…?
悠佑
なんでって言われても…
しょうがないやんか…
しょうがないやんか…
泣くとまでは思っていなかったため、 多少の罪悪感が生まれる。
りうら
…ううっ……あ、
そうだ!
そうだ!
俺が困惑している中、ソイツは 思いついたように言葉を放つ
りうら
これから仲良くなって
いけばいいんだ!
いけばいいんだ!
悠佑
!、いや、それは、
そうかもしれんけど…
そうかもしれんけど…
今は誰かと関わることはお断りしたい んだけど…もう既に借りができてる
りうら
ということで!
オトモダチになろうよ!
オトモダチになろうよ!
りうら
それならいいでしょ?ね!
悠佑
……はぁ、しょうがない奴や
悠佑
ええで、それなら。
そういうわけで、人魚の友達が できてしまった。
悠佑
……空は青いな
空を見上げて、濡れたままの服の 冷たさを感じながらそう言った
悠佑
ブエックショッン!!
りうら
大丈夫?
悠佑
大丈夫や!