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ボクの名前は誰も知らない 9

ボクの名前は誰も知らない 9

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ボクの名前は誰も知らない 9

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2018年12月05日

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みんなでここで暮らすということを決めてから約1ヶ月。

俺たちはまあまあ幸せに暮らしていた。

でも、そんな日々にもいつか終わりが来ることを、

この時の俺は知らなかった。

お父さん

ルイ、ハルト

お父さん

ちょっと話があるんだ

お父さん

聞いてくれないか

ハルト

なになに?

ハルト

楽しい事?

お父さん

いや、そうじゃないんだ

ルイ

聞くよ、どうしたの?

お父さん

お前達の母親のことなんだが…

ハルト

あぁ、お母さん

ハルト

僕が生まれてすぐに病気で死んじゃったんだよね…

お父さん

あぁ、お前たちにはそう話しているな

ルイ

え、どういうこと…?

お父さん

お前たちのお母さんはな

お父さん

本当は子育てが苦しくて嫌になって

お父さん

自殺したんだ

ルイ

は…

ハルト

え…?

ルイ

こ、子育てって僕たちの…?

お父さん

そうだ

ハルト

え…

ハルト

僕達が…

ハルト

原因で…?

お父さん

ああ

お父さん

お前たちの母親の遺書に

お父さん

そう書いてあった

ハルト

え…

自分の子供なのに子育てが苦しい訳が無い。

なのに、何で。

お父さん

もう、嫌だ

お父さん

こんな生活、うんざりだ

お父さん

もうこんなのだったら死んだ方がマシだ

お父さん

そう書いてあった

ルイ

それは、僕たちのこと?

お父さん

直接お前たちの事とは書いてなかった

お父さん

でもな

お父さん

おかあさんが死ぬ前、

お父さん

よくお前たちの相談をされていたんだ

何だ、それ。

そんな事だけで勝手に僕たちのせいだって決めつけて。

ハルト

直接、僕たちの事とは書いてなかったんだよね

お父さん

そうだが…

ハルト

僕たちのせいにするの?

お父さん

そんなつもりじゃ…

ルイ

お父さん

ルイ

正直、僕もハルトの考えと同じ考えだよ

ルイ

勝手に僕たちのせいで死んだ事にして、

ルイ

自分が責任を負いたくないだけじゃないの?

お父さん

お父さん

そうだな

お父さん

そうかもしれない

お父さん

ごめんな、こんな父さんで

お父さん

ちょっと、反省してくる

逃げる気?

お父さん、何で僕たちを疑ったの?

何で?

僕、悲しいよ…。

ねぇ、お父さん。

僕たちのせいで、お母さんは死んじゃったの?

もう、分かんないよ…。

その日の夜は、眠れなかった。

急に色んな事が起こりすぎて、理解が追いつかない。

次の日

ルイ

おはよう、ハルト

ハルト

ルイ…

ルイ

大丈夫?

ルイ

クマが出来てるよ

ハルト

ルイだって

ルイ

ルイ

お父さん、まだ帰ってきてないね

ハルト

ハルト

探す?

本当に迷惑がかかる親だ。

この時はそう思った。

どうせどこかへ行ったとしても森の中だ。

すぐに見つかるだろう。

1時間後

ルイ

まだ見つからないね…

ハルト

どこ行っちゃったんだろう…

ルイ

あ、お父さんの靴がある

ハルト

お、本当だ

目の前には小屋がある。

この中にいるのかな…

ガチャ(ルイが扉を開ける)

ルイ

あ…

ハルト

へ…

その時、僕の前に信じられないものが飛び込んできた。

ルイ

え、、、おとう、、さん?

ハルト

あ、、、え、、

ショックで体に力が入らなくなって、膝から崩れ落ちた。

確かに、お父さんはそこにいた。

死体となって。

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