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瑠那
はぁ…
瑠那
（あの日、幸也に迫られて）
瑠那
（戸惑いはあったけど）
瑠那
（泣くつもりなんてなかったのに…）
瑠那
なんで、泣いちゃったんだろう
瑠那
どんな顔して会えばいいの？
瑠那
会わなくなって
瑠那
もうすぐ1週間…
瑠那
怒ってるかな…
瑠那
それとも、呆れてる？
瑠那
会うのが…怖いよ
幸也
何やってんだろ…
幸也
情けねぇな…
幸也
会えないどころか
幸也
連絡すら出来ねぇとか
幸也
（幻滅されたかもしれない）
幸也
（嫌われたかもしれないって思うと）
幸也
（怖くて何も出来ねぇ…）
幸也
ヘタレかよ…
幸也
いい加減覚悟、決めなきゃな
数日後
瑠那
（今日こそは連絡しなきゃ）
瑠那
（このままじゃ）
瑠那
（どんどん気まずくなっちゃう）
瑠那
（でも、どう切り出せばいいの？）
瑠那
はぁ…
飛鳥
瑠那ちゃん？
瑠那
あ、飛鳥ちゃん！
飛鳥
久しぶりね
飛鳥
どう？幸也とは上手くいってる？
瑠那
あ…
飛鳥
…その顔、何かあったのね？
瑠那
…話、聞いてくれる？
飛鳥
もちろんよ、家にいらっしゃい
瑠那
うん
瑠那
（飛鳥ちゃんは）
瑠那
（唯一、私と幸也の関係を知ってて）
瑠那
（これまでにも何度か）
瑠那
（相談に乗ってくれてる）
瑠那
（本当のお姉ちゃんみたいで）
瑠那
（安心できるんだよね）
瑠那
──と、いうわけなの
飛鳥
そう、そんなことが…
飛鳥
…とりあえず
飛鳥
瑠那ちゃん、まずは裕太くんと
飛鳥
きちんと話をしないといけないわ
瑠那
そうだよね
飛鳥
先延ばしにしたって
飛鳥
それこそ相手を傷つけるだけだもの
飛鳥
その気がないことを早く言わないと！
飛鳥
相手だって
飛鳥
見込みがないなら早く言ってほしいと思うわ
瑠那
（飛鳥ちゃんの言う通りだ）
瑠那
（そもそもは）
瑠那
（私がきちんと断らないで）
瑠那
（連絡先くらいならって教えたのが）
瑠那
（全ての始まりだった）
瑠那
（断ろうにも言い出しにくくて）
瑠那
（諦めてくれるの待とうとか考えて）
瑠那
（その結果、幸也を不安にさせて）
瑠那
（気まずくなっちゃうし）
瑠那
（裕太くんだって）
瑠那
（期待持たせちゃって、余計傷つくよね）
瑠那
（私って、本当に馬鹿…）
飛鳥
それから、幸也のことだけど
飛鳥
無理矢理迫ってきたことに関しては
飛鳥
あっちが悪いから
飛鳥
瑠那ちゃんが気にすることはないわ
瑠那
で、でも…
瑠那
好き同士なら普通のことだし
瑠那
それなのに
瑠那
それを拒んじゃったのは
瑠那
私だし…
飛鳥
確かに、付き合ってれば
飛鳥
そういう流れになるのは普通のことだけど
飛鳥
別に焦る必要なんてないのよ？
飛鳥
不安に思う気持ちも
飛鳥
女の子なら当然のことだもの
飛鳥
そこは瑠那ちゃんのペースでいいの
飛鳥
今回は余裕をなくした幸也が悪い！
飛鳥
だから
飛鳥
しっかり自分の胸の内を話して
飛鳥
焦らず、2人のペースで進んでいくといいわ
飛鳥
ね？
瑠那
飛鳥ちゃん…
瑠那
うん、ありがとう！
幸也
（今日こそは瑠那に会おう）
幸也
（会って、この前のことを謝ろう）
幸也
（連絡するより）
幸也
（直接会いに行くか）
幸也
（もう瑠那も帰ってるだろうし）
幸也
ん？
幸也
（あれは…！）
幸也
（瑠那と裕太とかっていう男！）
幸也
（アイツ、また瑠那に言い寄ってるのかよ！）
幸也
（よし、俺がハッキリ言ってやる！）
瑠那
急にごめんね
瑠那
わざわざ来てくれてありがとう
裕太
いえ！
裕太
むしろ瑠那さんから誘ってもらえて
裕太
すごく嬉しいです！
裕太
どこか店に入りますか？
瑠那
（何だかすごい罪悪感）
瑠那
（これ以上先延ばしにしたくなくて）
瑠那
（飛鳥ちゃんと話した後）
瑠那
（裕太くんに話があるってメッセージ送ったけど）
瑠那
（呑気にカフェでお茶しながらするような話じゃないし）
瑠那
あ、あそこの噴水公園でいいかな？
裕太
分かりました
裕太
じゃあ行きましょう
幸也
瑠那！
瑠那
え？
瑠那
ゆ、幸也！？
瑠那
どうして、ここに？
裕太
瑠那さんの知り合いですか？
瑠那
え、あ…えっと…
幸也
瑠那は俺の彼女だ
幸也
だから悪いけど
幸也
これ以上瑠那に付きまとうのはやめてくれ
瑠那
え…
瑠那
ちょっと、幸也！？
幸也
行くぞ
瑠那
ま、待って！
幸也
何でだよ？
瑠那
いいから、お願い！
幸也
…分かったよ
瑠那
…裕太くん
瑠那
驚かせてごめんなさい
裕太
い、いえ…
瑠那
あの…
瑠那
彼の言う通り
瑠那
この人が私の彼氏なの
瑠那
だから
瑠那
裕太くんの気持ちに応えることは出来ません
瑠那
連絡先の交換もしたけど
瑠那
彼に悪いから
瑠那
これからは連絡とることも出来ない
瑠那
本当に、ごめんなさい
裕太
…そ、そうだったんですね
裕太
朋美から
裕太
瑠那さんに彼氏はいないって聞いてたから
裕太
俺…つい…
裕太
しつこくして、すみませんでした
裕太
彼氏さんも、すみません
裕太
金輪際、瑠那さんに連絡したりしません
裕太
失礼します
瑠那
（裕太くん…）
瑠那
（傷つけちゃったよね）
瑠那
（本当に、ごめんなさい）
幸也
瑠那…
幸也
悪い、いきなりあんなこと
瑠那
幸也、アパート行ってもいい？
幸也
あ、ああ
瑠那
さっきはびっくりしたよ
幸也
悪い
幸也
また言い寄られてるって思ったら
幸也
いても立ってもいられなくて
幸也
つい…
瑠那
本当にびっくりした
瑠那
裕太くんには悪いことしちゃったけど
瑠那
嬉しかった
瑠那
俺の彼女って
瑠那
言ってくれたから
幸也
内緒にしようって決めてたのに
幸也
勝手にごめんな
瑠那
ううん、いいの
瑠那
これからはさ
瑠那
仲良い友達には
瑠那
話そうと思う
瑠那
そうすれば
瑠那
今回みたいなことにはならないし
幸也
そうだな
幸也
そもそも隠すようなことでもないし
幸也
兄妹ではあるけど
幸也
血の繋がりはないしな
瑠那
うん
幸也
瑠那
幸也
この前は、本当にごめん
瑠那
ううん
瑠那
私の方こそごめんね
瑠那
泣いたりして
幸也
いや、あれは俺が悪い
幸也
お前の気持ちも考えずに…
瑠那
ううん
瑠那
…あのね
瑠那
嫌じゃないの
瑠那
でも
瑠那
まだ少し、怖いの
瑠那
だから
瑠那
もう少しだけ
瑠那
待っててほしい…
瑠那
駄目、かな？
幸也
いいに決まってるだろ？
幸也
そばにいて
幸也
こうして触れられるだけでも
幸也
幸せだから
瑠那
…幸也
瑠那
ありがとう
瑠那
（…もう少し）
瑠那
（あと、もう少しだけ）
瑠那
（今年中には、きっと…）
瑠那
（覚悟を決めて）
瑠那
（幸也に、私の初めてをあげるんだ…）
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