TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)
好奇心と木製の君

好奇心と木製の君

「好奇心と木製の君」のメインビジュアル

1

好奇心と木製の君

♥

3

2020年02月16日

シェアするシェアする
報告する

ある名家の一人娘がいた。

その少女は両親に酷い虐待を受けていた。

それは、ある日のこと。

いつものように両親が家へ戻って来る。

ピィティー

(クローゼットの中ならきっと見つからないわ…)

両親

あの約立たずはどこだ!!

両親

今日はむしゃくしゃしてんだ!早く出てこい!!

今日はいつにも増して気分が悪かった。今晩はいつにも増して気性が荒かった。

ピィティー

(ひぃっ…!)

ガタッ

クローゼットの中の物が動く。

両親

何だ、こんな所に隠れていたのか

両親

俺達に逆らうってか?

ピィティー

ち、ちが…

両親

死ねええええええええ!!!

殴りかかろうとする両親。

咄嗟に近くにあったナイフを持つ。

両親

っ!?

ピィティー

あ、あ、ああ…

2人の体から赤い液体が飛び出る。

ピィティー

ち、違う、違う…そんなつもりじゃ……

両親

くそ、こいつ…!

両親

ピィティー

や、嫌、何で、違う…!

消える声

止まる息

生ぬるい指

両親は死んだのだ。

か弱いその少女の手によって。

使い

お嬢様、どうなさ…

ピィティー

!!

使い

きゃーー!!!

ピィティー

ち、違うの、ねえ

ピィティー

ねえ、みんな…!

ピィティー

私バカな子なの。どこにも行かないで!

孤独を恐れ、また殺してしまう。

ピィティー

…ああ

ピィティー

こうすれば、独りじゃない…!

それから少女は好奇心にとらわれ、大切なものを次々と壊していく。

両親

使い

ペット

そして、感情。

ピィティー

あれ、そういえば、何でこんなことしてるのかしら…

いつしかあの時の綺麗な少女は消え去っていた。

もう二度と希望の火は灯らないのだ。

そんな日々を送る中、少女はある人形を見つけた。

ピィティー

これは…?

ロンリネス

…カタ

ピィティー

動いた…!

その人形は呪われていた。

声こそ出ないが、木製の人形が勝手に動くことなど普通では有り得ない。

ピィティー

あなた、名前は?

ロンリネス

首を横に振る人形。

ピィティー

そう、じゃあ、ロンリネスなんてどうかしら

ピィティー

素敵じゃない?

人形は首を縦に振った。

ピィティー

ではよろしく、ロンリネス

少女が頭を下げると、彼も頭を下げた。

それから彼は、少女の世話を焼いた。

風呂や髪の手入れ、洋服など、何においても彼は見事にやってこなした。

その時、少女は気付いてしまった。

無くなる前に壊して傍に置いても"孤独"は消えないということに。

ピィティー

…じゃあ何もかも無駄だったってことね

ロンリネス

…!

ピィティー

あら、本当、もうこんな時間

ピィティー

おやすみなさい

「次、目を開けたら、全てが戻っている」

ピィティー

…なんて

有り得ないことを願いながら

少女はまた、眠りにつくのだ。

この作品はいかがでしたか?

3

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
;