TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

タイトル、作家名、タグで検索

テラーノベル(Teller Novel)

いつもと変わらない日曜日

のあさんのお見舞いに行こうと思っていたので、

午前十時過ぎに起きた

じゃぱぱ

ッ!

頭の中に嫌な想像が浮かび上がる

スマホを持ったまま固まり

数分過ぎた

えと

通話終了

通話
00:00

えと

……ッ…ヒックッ

えと

__のあさん、

えと

タヒんじゃった__

じゃぱぱ

ッ__

覚悟はできていた

ずっと前から

それなのに手が震え、

足が震え、

涙が溢れてくる

視界が滲んでいく_

えと

なんでッ!

えと

こんな時に寝てるのよッ!

えと

のあさん、最後に目を覚ましたのにッ!

えと

じゃっぴの名前、何度も呼んでたのにッ!

じゃぱぱ

……ッ、

じゃぱぱ

嘘だ…

じゃぱぱ

嘘だッ

じゃぱぱ

嘘だッ!

じゃぱぱ

あ“あ“ッ!

のあ

……

のあさんは眠っているときと同じように

優しい表情で横たわっていた

ただ眠っているようにしか見えない

すぐにでも目を開けて『おはよう』と 優しく微笑んでくれるのではないかと思った

でも、俺が何度呼び掛けても目を覚さない

そう

のあさんはタヒんでしまったんだ__

初雪が降り、

やけに冷え込んだ日、

のあさんの葬儀が行われた__

のあのお母さん

最後までのあと一緒にいてあげて

えと

……はい

じゃぱぱ

……

でも…

俺は弱虫なのだろう

骨だけになったのあさんを見たくなかった

俺はその場から逃げ出してしまった__

じゃぱぱ

ッ……

じゃぱぱ

ポロポロ

じゃぱぱ

のあさんッ……

タッタッ

えと

いた!

えと

探したんだからねッ!

じゃぱぱ

…ごめん

えと

これ、のあさんから

じゃぱぱ

ッ!

そう言って俺に手渡したものは

薄い桃色の手紙だった

自室に入り

俺はゆっくりと手紙を開く

じゃぱぱさんへ

じゃぱぱさん、

私はじゃぱぱさんに出会えて本当によかったです。

辛かった日々が、楽しい毎日へと変わっていきました。

じゃぱぱさんは毎日のように私に会いにきてくれて、

えとさんも連れてきてくれました。

感謝しています。

ありがとう。

私はたぶん、一生分笑いました。

それから、一生分の涙も流しました。

早くタヒにたいと思っていた私が、

じゃぱぱさんと出会えたことで

“生きたい”と思えるようになりました。

これから毎日、病気と闘うって気持ちにもなれました。

できればもっともっと一緒にいたいです。

でも、もしものときのために、

この手紙に伝えたいことを書いておきますね。

じゃぱぱさんのおかげで、私は幸せでした。

じゃぱぱさんも、幸せになってください。

私の分まで、長生きしてね。

天国から、じゃぱぱさんがしばらくこっちに来ないことを祈ってます。

おじいちゃんになったじゃぱぱさんと

天国で再会できる日を楽しみにしてますね。

それから最後に、じゃぱぱさんに伝えたいことがあります。

じゃぱぱ

……ッ、

じゃぱぱ

なんだよポロポロ

じゃぱぱ

伝えたいこと書いてないじゃんかッ……

手紙には

赤、オレンジ、黄色の三本のガーベラの絵も一緒に描かれていた__

俺は何度も手紙を読み返した

毎晩のように涙を流していた

毎日のあさんのことを考えていた

ー一日でも、一時間でも、一分でも一秒でも長く生きる。

のあさんのこの言葉がずっと心に引っかかっている

じゃぱぱ

(手術を受ける……

じゃぱぱ

(そうだ……

じゃぱぱ

(俺ものあさんみたいに病気と闘わなくっちゃいけないんだ……

俺は覚悟を決めた

翌日

俺は両親をリビングのソファに誘導した

じゃぱぱのお父さん

……で、

じゃぱぱのお父さん

話とはなんだ

じゃぱぱ

……俺さ、

じゃぱぱ

やっぱり手術受けたい

じゃぱぱ

お金のこととか、

じゃぱぱ

いろいろ迷惑かけちゃうけど、

じゃぱぱ

やっぱり受けたい。

じゃぱぱ

手術、受けてもいい?

じゃぱぱのお父さん

当たり前じゃないか

じゃぱぱのお母さん

迷惑だなんて、なにを言ってるの

じゃぱぱのお母さん

お金のことはなにも心配いらないから、

じゃぱぱのお母さん

菊池先生にすぐにでも招待状、書いてもらいましょうニコ

じゃぱぱ

本当はもっと早く受けるべきだったんだろうけど、

じゃぱぱ

今更になってごめん

じゃぱぱ

それから、二人とも

じゃぱぱ

本当にありがとう

じゃぱぱ

今までも、これからも

じゃぱぱのお母さん

ッ!ポロポロ

じゃぱぱのお父さん

いいんだよ、そんなこと

じゃぱぱのお父さん

でもよく受ける気になってくれたな

じゃぱぱのお父さん

本当によかった

じゃぱぱ

ある人が、言ってたんだ……

じゃぱぱ

一日でも、一時間でも一分でも一秒でも長く生きることが、親孝行になるって

じゃぱぱのお父さん

ッ!

じゃぱぱのお父さん

そのとおりだな…

じゃぱぱのお父さん

うん、本当に、そのとおりだポロポロ

じゃぱぱ

(これでいいんだよな、のあさん

ーいいんだよ、それで

じゃぱぱ

(うん

余命一年と宣告された俺が、余命半年の君と出会った話【完結】

作品ページ作品ページ
次の話を読む

この作品はいかがでしたか?

2,081

コメント

28

ユーザー

こういう作品でこんなに泣いたの初めて... 大号泣中です...

ユーザー

気づいたら涙を流してました

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
;