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うあああああ…切ない タイトル回収(?)控えめに言って神✨( 両親…人間のくずだわ()
うっぁあ…(´;ω;`) 両親がクズすぎるホンマに…最初は幽君に寄生されとったんやね…それで多分幽君に寄生してる奴と麗華さんに寄生してる奴は多分別個体だから多分身代わり… だいぶ全容が明らかになりつつある、幽君に寄生しとるやつは今は共生関係?にあるんかな現在の方の幽君は幽君の意識がちゃんとありそうだし…とりあえず幽君と麗華さんの寄生しとるやつ取り除いて組織潰せばハッピーエンドなのでは?(脳筋)
麗華ちゃんは幽くんの身代わり、?になっちゃったのかな…今の幽くんは確かに本物の幽くんのはず…じゃあ麗華ちゃんは…うわー、悲しい…こんなことがあったのかぁぁ…、二人とも無事であって欲しいよぉぉぉ
物心ついた時から、弟は私の大切な家族だった。
たとえ、私に笑顔を見せてくれなくても…心を開いてくれなくても…それは変わらない。
けれど、私と対照的に人形のように表情が固い弟。
それは両親にとって恐怖だった。
私が気づかない間に、弟の心には傷が増えていく。
慰めようとしても上手くいかない。
血が止まらない傷口に、乱暴に包帯を巻いているようなもの。
包帯は血を吸って染みて、なんの役にも立たない。
私は………
あの子を救ってあげられなかった。
ー部屋ー
乾燥している季節でもないのに、弟の手はガサガサで私とは大違い。
それを指摘すれば、弟は気まずそうに目を逸らした。
私は実際に見たことは無いが、両親は弟に対して酷い扱いをしていた。
5歳の子供には難しいようなことをさせて、出来なければ言葉で傷つける。
私に勘づかれるのを防ぐためか、手を挙げることはなかった。
でも、8歳にもなった私からすればバレバレだった。
私と弟の間に、気まずい雰囲気が流れる。
私は無理やり笑顔を作ると、近くの絵本を引き寄せた。
弟はまだ小さいのに、周りに気を遣うクセがあった。
子供特有の駄々を捏ねたりしているのを、私は1度も見たことがない。
私の言葉に弟が僅かに目を見開いた。
光の灯らないガラス玉の様な弟の瞳に、光が入った気がした。
私が強い口調で叱っても、弟は泣かない。
眉ひとつ動かさず、静かに此方を見つめている。
顔は似ているのに全然違う私たち。
けれど、私は弟が好きで堪らなかった。
ー廊下ー
ある夜のことだった。
尿意で目が覚めた私は1人で廊下を歩いていた。
家族は全員寝静まっていてもおかしくない時間。
それなのに、リビングは明るいままだった。
と、扉を開けようとした時。
駄目だとは分かっていても、私は好奇心に耐えられず扉の隙間からリビングを覗く。
リビングには両親がおり、父の方は機械的に頷いている。
電話をしていたのだ。
母が口を開き、電話をしまう父に問うた。
どちらの顔も幾分か興奮しているようだった。
普段見たことない両親の顔に恐怖した。
あんな顔……知らない。
母の口から飛び出す私の名前。
2人は……弟をどうするつもりなの…?
ガラス玉の様な瞳が私を映している。
私は……
どうしたらいい?
心臓がバクバクと鳴っている。
耳がキーンと鳴って五月蝿い。
両親に私たちの声は聞こえていないだろうか。
「幽」
幽(ゆう)
幽(ゆう)
幽(ゆう)
幽(ゆう)
守ろうとした。
守ろうとしたの。
けれど、弟と私を繋いでいた糸はあっさり切られてしまった。
隣にいようと決めたのに、無理やり両親が私たちを引き剥がす。
それと同時に、沢山の人が家に入ってきた。
抵抗したけれど、私の首に誰かが注射を刺した。
弟が私を呼んでいる声を最後に、私は意識を手放した。
ー住宅街ー
深夜に4人の人影が住宅街を歩く。
ガラス玉のような美しい金色の瞳を細めて、薄着の子供が微笑んだ。
ふわりと子供が浮いて、電柱の上に着地する。
子供の視線の先には大きな豪邸が建っている。
子供の口角が不自然に上がった。
子供の背中から大量の金色の蝶が飛び出した。
ーリビングー
燃え広がる炎。
顔を覆い、叫びながらのたうち回る両親。
不気味に口角をあげて笑う……弟に私は驚きを隠せなかった。
両親を踏み越えて、弟が私の近くにしゃがんだ。
右手には火事の原因であるライターが握られていた。
思い出した。
幽は死んでなんかいない。
両親の手によって……引き剥がされたんだ。
力を振り絞って、幽の皮を被った化け物に掴みかかる。
私にまだ力が残っていたことに、驚いた化け物は私と床に倒れ込んだ。
煙を吸いすぎたのか、視界がぼやけている。
胸が苦しくて、涙があふれる。
青筋を立てた化け物が私の髪を掴んだ。
私も負けじと相手の髪を掴んだ。
今まで飄々としていた化け物の顔が顰められる。
ドン
音ともに私の胸から蝶が飛び出した。
いいや、貫かれたんだ。後ろから。
目の前に血が飛び散る。
床に倒れたまま、私は叫び出した化け物を見る。
頭を抱えて痛みに身を攀じる化け物は……悲しそうだった。
幽の……感情だろうか。
幽は……私を見てくれる?
幽(ゆう)
化け物の……幽の目が一瞬黒くなった。
目から涙があふれる。