ようやく誘拐出来た
自分だけの君
出られないようにして
扉に固く固く蓋をした
だって、もうそこから出る必要性は無いでしょ?
だったらこんな扉、閉ざして君を守るために使うしかない
出ようとしたら質問攻めにするしかない
痛いことはしたくない
でも、最終手段だ
あぁ、窓から見る君は、なんて可愛いんだろうね
このままずっと、永遠に
閉じ込められた
けど、不自由はない
ご飯はくれるしおもちゃもくれる
試しに出ようとしてみたら
案外すぐ出られそうだったから辞めた
この扉で、私を「あの人」から守ってくれている
ここに閉じ込めた人は「誘拐」したなんて思っていそうだけど
そんなこと決してない
私を、守ってくれている
あの毒親から
だから、ここを出ない
ここにいる限り、私は幸せだから
コメント
2件
誘拐犯さんは被害者さんをずっと閉じ込めておきたいっていう欲望(?)、被害者さんは誘拐犯さんに閉じ込められて毒親から逃げられたっていう幸せを感じてる…… それぞれ考え方や感じ方は違えど、お互い『今』の状態を良い、納得してるって考えると少し複雑な気持ちになるけどめちゃくちゃ良い……🙄💭最高!!!
語り手が変わることで誘拐の背景がよく分かって、読み手の意識をひっくり返すところがすごいです😶🌫️😶🌫️