俺の名は久我虎徹。親父の命令で、半グレ粛清のため、キャバ嬢に扮する仙石の兄貴と、客を装おって、キャバクラに潜入する新規気鋭の極道だ。
仙石の兄貴との待ち合わせ場所につくと、仙石の兄貴が男に絡まれていた。
モブ
仙石薫
兄貴はやんわりと断るも、こんな美人を見す見す逃してなるものかとばかり、男はめげずに直も兄貴を誘う。
モブ
モブ
表面上は、ニコニコと笑顔を絶やさない仙石の兄貴だが、俺は知っている。男の余りのしつこさに、忍袋の緒が切れかかっている事を。
ここで兄貴に、キレられたらマズイ。潜入先のキャバクラは目と鼻の先だ。ここで騒ぎを起こしたら、奴らに感づかれちまう。
仙石薫
俺が声を掛けるよりも先に、仙石の兄貴が、俺の存在に気づく。
仙石薫
俺を視界にいれるやいなや、仙石の兄貴が猫なで声で、俺に抱きついてきた。
久我虎徹
久我虎徹
俺も仙石の兄貴に合わせる。
モブ
凄むだけで、慌てて男は去っていった。
仙石薫
仙石薫
久我虎徹
仙石薫
自分でも美顔だと言い張るくらい、仙石の兄貴の顔は整っている。
元々の美貌に加え、鎖骨の火傷の跡と喉仏を隠す為に、首もとに大きなリボンタイ、スカート部分がドレープになっているダークグリーンのロングドレスに身に纏(まと)った、仙石の兄貴は何時も以上に華やか。
そして、トップの髪を編み込みでサイドにまとめ、毛束をお花の形にしたフラワーハーフアップのウィッグをつけている。
久我虎徹
仙石薫
そんな折りだった、雑踏の中にいた、小峠さんと目が合う。
小峠華太
小峠さんは、ふっと視線を反らし、そのまま踵(きびす)を返そうとする。
俺は去って行こうとする小峠さんに駆け寄り、咄嗟に手を掴んだ。
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
小峠華太
小峠華太
確かに言ってる内容に、齟齬(そご)はない 。ただなんだか腑(ふ)に落ちない。
久我虎徹
氷対応なのは変わらないのだが、何時もよりも、態度が素っ気なさ過ぎるのだ。普段が絶対零度なら、今は氷点下10℃くらいまで振りきっている。 普段から、冷たくあしらわれている俺だからこそ分かる。小峠さんが、怒ってることを。
小峠華太
小峠華太
久我虎徹
仙石薫
呼び止めようとしたが、仙石の兄貴から声がかかり、小峠さんの跡を追うことが出来なかった。
こうなった以上、さくっと半グレ絞めて、一刻も恋人の機嫌をとらなければ。
今の俺は機嫌は、頗(すこぶ)るく悪い。原因を作った半グレ達には、犠牲になっていただこう。
半グレ達の溜まり場のキャバクラに、仙石の兄貴とともに、意気揚々と乗り込んだ。
家に帰るなり、小峠さんの姿を探す。
今日は、俺の家に泊まりにくる予定だった。例え、喧嘩しても小峠さんは、律儀な性格故、絶対に約束を守る。現に、玄関には小峠さんの靴があった。
何時もなら、リビングのソファに座り『なんだ、帰ってきたのか』と、俺はお前なんて、興味ありませんよという呈(てい)を装って、俺を出迎えてくれるのに、今日はリビングに、小峠さんの姿はなかった。
広くない、アパートの一室。リビングにいないのなら、小峠さんは寝室にいる。
俺は寝室のドアを開けた。
予想通り、小峠さんは頭からすっぽりと布団をかぶり、ベッドで丸まっていた。
久我虎徹
ベッドに向いて、声をかける。
久我虎徹
返事は返ってこない。
久我虎徹
無視を続ける小峠さんに、流石に、腹立ってきた。
久我虎徹
久我虎徹
久我虎徹
久我虎徹
久我虎徹
ぷっ、と吹き出したかと思えば、くつくつと喉を鳴らし、小峠さんが布団から顔を出す。
小峠華太
久我虎徹
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
どうやら、機嫌はなおったらしい。
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
小峠華太
小峠華太
久我虎徹
そう言うと、小峠さんは、体に巻き付けていた布団から手を離す。
久我虎徹
小峠さんは、緑のすけすけのベビードール、そのベビードールに合わせて、女性物の下着を身に付けていた。
小峠華太
油断していた。これは刺激が強過ぎる。温かい何かが、鼻から流れる。
小峠華太
とっさに小峠さんは、止血するために、俺の鼻にティッシュをあてて、自分の膝に横向きで寝かせてくれた。
ただ、それは悪手。透けたベビードール越しの肌が、余計に俺を興奮させ、鼻血が一向に止まらない。
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
小峠華太
何かに気づいた瞬間、今まで、甲斐甲斐(かいがい)しく、聖母のような眼差しで、俺を見つめていた小峠さんの顔に、何時もの小悪魔が顔をのぞかせる。
久我虎徹
小峠華太
久我虎徹
小峠華太
小峠華太
小峠さんの指す方向をみると、俺の愚息(ぐそく)が、反応していた。
久我虎徹
小峠華太
この日、俺が買ってきた夕飯は、二人とも食べそびれてしまった。
普段、つんけんしている彼女が、焼きもち焼くと、大胆になるらしい。
え?つまり、何が言いたいかって?
今までの話聞いてて分からなかったのかよ?今日も俺の彼女が反則級に可愛くて辛いってことだよ。
おわり
あとがき 仙石に対抗して、ベビードールで彼氏を誘惑しちゃう華太は最高。ベビードールに、赤の麻縄で手を拘束したら、尚更、うまうまだね。仙石のキャバ嬢姿見てみたい。誰か描いてくんないかな(←他力本願) 難しそうな漢字には、()で送り仮名ふってるけど、ある方がええんやろか? ポカやったぁ(;´д`)リクエスト品打ってたら、間違えて1/3消してしまった。必死こいて打ち直ししてる。
コメント
8件
出来たらでいいのですが速水と小林のカプ見たいです、
大丈夫?後、難しいからふりがなは絶対に振っといて、で、自分、仙石の兄貴のキャバ嬢姿描きたい、書いて良い?