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傷だらけの花嫁

傷だらけの花嫁

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8

それぞれの思い

♥

228

2024年01月03日

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朝7時の教室

誰もいないだろうと思った

俺は明日のテストに向けて勉強をしようと たまたま早く来たのだ

たかと

あ、

教室に入るとそこには、 頬杖をついて外を見ているみらいがいた

たかと

おはよう、

みらい

おはよう

冬休みが明けてから1週間

ここ最近のみらいはいつも寂しげな目をしている

どうしてかは分からない

それに、最近はまともに話していないのだ

あの日以来気まずくなってしまった

でも俺はまだ、みらいの事がちゃんと好きだ

でもみらいには好きな人がいる

本人が言っていたわけではないが、おそらく、

いや、絶対

好きなんだろう

たかと

み、みらいも…テスト勉強?

みらい

あー、うん、そんなとこかな

たかと

そっか、

たかと

今回の社会は難しそうだよね〜笑

雰囲気を良くしようと頑張って笑みを浮かべたが

絶対にきもい顔をしているだろう、

みらい

え、笑

ぷっ、といきなりみらいは吹いた

たかと

え、ええ?

みらい

いや笑

みらい

話すの久しぶりだね笑

みらい

なんか、頑張ろうとしてるの面白くって笑

たかと

ちょっと…真剣なのに笑

みらい

ごめん笑笑

たかと

はあ、なんだ、

たかと

案外普通か笑

たかと

ごめんねこの間は

みらい

あ、ううん、大丈夫

たかと

いやあのあと絶対気まずくさせちゃったでしょ

みらい

まあね

たかと

その…どうなったの…

みらい

え?何が?

たかと

いや、その…先輩と…

たかと

だって、、絶対両思いじゃん…

みらい

どうだろうね

みらい

両思いかはわかんない

たかと

え?

みらい

言ってないもん

たかと

な、なんで

みらい

どうせ離れちゃうし

たかと

離れる?

みらい

県外行くんだって、今年から

たかと

そう、なんだ、

みらい

このままでいいよ

そういうみらいの目はどこか寂しげで

嘘で溢れていた

たかと

そっか

俺なんかに口出しする権利はない

ただ、言ってしまいたかった

俺は離れないよ、って

離れちゃう存在よりも、離れない存在を選んでよ

俺は大好きなんだ

たったちょっとの間柄じゃない

よくみらいを知ってる

だから、、

たかと

俺にしてよ…

みらい

うーん

たかと

俺は…そばに居るのに…

みらい

…たかとはよく思ったことを口にするよね

たかと

抑えきれないんだ自分の中で

たかと

悪い癖だけど、

みらい

いいと思うよ

みらい

羨ましい、

みらい

思ったことを言えるのは

みらい

悪いところなんかじゃないよ

たかと

思ったことを言っても

たかと

相手がわかってくれなきゃ意味が無い

たかと

俺は頭の中で本当に必要なことを吟味して言うのが苦手だから

たかと

迷いも願いも全部口に出るんだ、

みらい

それもそうだね

たかと

みらいは分かってくれないとかじゃないんだ

たかと

わかってると思うけど

みらい

うん、分かってる

たかと

みらいは俺じゃないから断ってるんだよね

みらい

うん、そうだね

たかと

みらいがすきなのは

たかと

あの先輩だからだよね

みらい

うん、そうだよ

たかと

みらいが幸せになってくれるならいいんだ

たかと

でも

たかと

俺はこの恋の進展は諦めるけど

たかと

気持ちはまだあるんだ、好きなんだ

たかと

だから、みらいがちゃんとあの人と幸せになってくれなきゃ

たかと

俺は報われないんだ笑

ひとつひとつの言葉を噛み締めるように俺は言う

みらいは丁寧に頷きながら話を聞いた

みらい

、、、

みらい

私たちが報われる方法ってなんだろうね笑

また、寂しそうな目をした

泣きそうで、目が泳いでいた

朝日に照らされたのはみらいの目に浮かんでいた涙

零れなかったけれど、それは今にも零れそうなほどに

たっぷりと浮かんでいた

りょう

みらい、明日テストだっけ?

みらい

あ、うん

あの日以来りょうとは普通に話している

でもお互いどこか寂しそうなのは分かる

りょう

頑張って笑笑

みらい

ありがと

笑顔で話したいのに

私はりょうの前になると上手く笑えない

それはあの日以来

行かないで、と強く願っているけど

それは無理なんだと理解している

りょう

おやすみ

みらい

うん、おやすみ

このまま

時が止まってしまえばいいのに

私たちふたりだけが永遠に動く世界なら

ずっと一緒にいられるのに

何度強く願っても

時は残酷にも淡々と過ぎていく

りょう

あれ、まただ、

俺は最近夢を見る

あの日、大事な話をみらいに告げて以来

頻繁に夢を見る

それも、全て同じ内容

でも、日が進むにつれ少し変わっていることがある

結婚式場に俺は1人でたっていた

チャペルがなると扉が開き

眩い光の中ウエディングドレスのシルエットが浮かぶ

日が進むにつれそれは徐々に俺に近付いてくる

今日

初めて顔を見た

りょう

え、、

涙をこぼして虚ろな目でこちらを真っ直ぐと見て

長いまつ毛は涙で濡れて光っていて

触れられないような白い肌に

細い上唇、ぷっくりとした下唇はほんのりと赤い

でも、

ウエディングドレスは傷だらけで

顔にも多少の傷があった

りょう

みらい、

美しかった

素直に

率直に

美しい

そう思った

でも、その顔は苦しさに歪んでいた

りょう

そんな顔を…しないで…

この夢は

みらいの気持ちなのか

今みらいは、辛いのか

憶測だが、涙と傷で歪んだ顔は

させたくない、

でもきっとそれは

俺のせいなのかもしれない

りょう

ごめん、、ごめんね、

りょう

ちゃんと、、言えたらいいのにね

好き

大好き

愛している

俺は今

燃えるような恋心をみらいに抱いてるんだよ

でもそれは

伝えてはいけないんだろう、

りょう

、、朝か…

目が覚めると頬には涙が伝っていた

下を覗き見るとみらいの寝顔があった

いつもは俺の方が起きるのが遅いから見れないけど

まじまじと寝顔を見たのはいつぶりだろう

りょう

ごめんね…

りょう

おはよう

りょうの母

あら〜早いわね

りょう

ちょっと寝れなくて

りょうの母

そう〜みらいちゃんは?

りょう

まだ

りょうの母

ああ、そういえばみらいちゃんに言ったのね

りょう

え?あ、うん、

りょう

なんで分かるの

りょうの母

そりゃあ笑

りょうの母

見てればわかるわよ笑

りょう

え、

りょうの母

2人の気持ちだってわかるわよ

りょう

な、え、え、

りょうの母

あなた達顔に出すぎね笑

りょうの母

大丈夫、お父さんは気付いてないわよ笑

りょう

う、うん、

悪戯っぽく笑う母に

正直恐怖を感じたけれど

事実だ、否定はできない

りょう

あのさ…

りょう

どうすればいいんだろ…

りょうの母

付き合ってないんだよね〜?

りょうの母

まあ、今は2人とも進路が重要な時期だからね

りょうの母

みらいちゃんも勉強に集中させてあげたいし、

りょうの母

りょうもそろそろ準備始めないとだし

りょう

うん、

りょうの母

このままでいいんじゃないのー?

りょう

え、ああ、

りょう

うん、、そうだよね…

りょうの母

なんでそんなに不満そうなの?笑

りょうの母

何が不満なの??笑

りょう

…分かってるくせに笑

りょうの母

そうね笑笑

りょうの母

恋人になりたいのね

りょう

いや、うん、いやぁ、その、

りょう

でも、まだ、だめ、、

りょうの母

そうね…今は…まだね

りょう

うん、、

りょうの母

お互い心も成長してからでいいんじゃない?

りょう

そ、、かな、

りょうの母

そうよ、今はまだ2人とも子供なのよ

りょう

まだ、か、、

りょうの母

大丈夫、2人がこうやって巡り会ったのは運命なのよ

りょうの母

神様は出会わすだけじゃないわ

りょう

宗教みたいになってるよ、笑

りょうの母

ごめんなさいね笑

大丈夫

俺たちなら大丈夫

きっと幸せになる

おはよう〜と挨拶が飛び交う朝の教室

たかと

はあ…テストかぁ…

たかと

…え…

俺が教室に入って真っ先に目に入ったのは

雑草を白い花瓶に入れたものが

みらいの机に置かれていた

たかと

は…

シュウ

よお笑

たかと

お前…!

シュウ

なに?笑

なおこ

あんたたちのこと許してないから笑

なおこ

それに、、誰だか知らないあの男に

なおこ

みらいに死ぬなとか言うなーって説教されたの〜笑

なおこ

納得いかねー笑

シュウ

あいつには死って言葉がお似合いなんだよ笑笑

たかと

やめてよ…なんで、、

シュウ

これは全部お前のせいだよ

たかと

…ッ

なおこ

あんたがあの時素直に間違えを認めて教科書を渡してくれれば

なおこ

ねえ笑

たかと

あれは間違えてたのはお前じゃないか!!

なおこ

うるせぇよ

なおこ

とにかく、あんたを虐めてた時に偽善者ぶってみらいはあんたを、

なおこ

助けた

シュウ

ムカつくんだよ

シュウ

お前らみたいなやつが

なおこ

あんたから始まった物語だよ?笑

たかと

違う!!!

たかと

全部全部ちがう!!!

なおこ

あぁ!?

たかと

教科書だって、お前が間違いを認めずに俺に罪をなすり付けた

たかと

それに、みらいは偽善者なんかじゃない!

たかと

みらいは…嘘はつけないんだ

たかと

全部全部顔と行動に出る…

たかと

そんな人が…いい人の振りをするなんて、無理だ

たかと

みらいはちゃんと、根からのいい人なんだ…

たかと

だから俺を助けて…

たかと

それなのにお前らは…みらいの必死の行動を踏みにじった!!

たかと

お前らだよ…

たかと

この物語を始めたのは…

たかと

間違いなくお前らだ!!

なおこ

うるせーんだよ!!!

先生

おい

なおこ

な、先生…

シュウ

くそ…

先生

全部聞いていたぞ

先生

たかと、よく頑張ったな、

たかと

先生

みらいの机の上の花瓶、片付けてくれるか?

たかと

もちろんです

先生

お前らちょっとこい

なおこ

なんで、、なんでこうなるのよ、!

シュウ

くっそ…たかと…覚えとけよ…

先生

シュウ!!

シュウ

ッ…

たかと

…はぁ…

クラスメイト

たかとくん…

たかと

何…

クラスメイト

今まで…その…見て見ぬふりしてごめん…

たかと

え?

たかと

いや…それは俺も同じだよ…

クラスメイト

私たち、あとでちゃんとみらいちゃんに謝る、

たかと

うん…

たかと

あ…

みらい

みらい

なに…?

たかと

その…なおことシュウ、先生にバレたよ

みらい

なんで…急に…

たかと

まあ、その、色々あったんだ…

クラスメイト

みらいちゃん、、

みらい

え、なに、

クラスメイト

ごめんなさい!!!

クラスメイト

今までずっと見て見ぬふりしてごめんなさい!

クラスメイト

死のうとするまで追い込んだのは、傍観者だった私たちのせいでもある…

たかと

俺も…傍観者だった

みらい

別に…

たかと

今更なのは分かってる

たかと

でも皆、気付いたんだ

みらい

何があったのかは知らないけど…

みらい

謝らなくていいよ

みらい

もういいの、

みらい

私自身強くなれたの

みらい

だから大丈夫

みらい

私たちは幸せになるよ

たかと

みらい…

私たちは幸せになる

大丈夫。

りょう

勉強してるの?

みらい

うん

りょう

今日のテストどうだった?

みらい

やばいよ笑

りょう

まじか笑笑

みらい

ねえ、りょう

りょう

ん?

みらい

幸せだよ

りょう

え?

みらい

このままでも幸せなの

みらい

一緒にいてくれるだけでいい

りょう

みらい…

みらい

離れるまではこの時間…もっと、大切にさせて

りょう

それは俺も、幸せだよ

みらい

ほんと、?

りょう

うん…いつかちゃんと、言えたらいいね

みらい

あ…

何を伝えるのか

私にはわかる

好き

ちゃんと

言いたい

みらい

いつか、誰にも何にも邪魔されずに

りょう

俺たちだけの時間が

りょう

あるといいな

みらい

うん

みらい

そうだね

好きだよ

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