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空の色

空の色

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空の色

2021年01月05日

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空を眺めると雪が降っていて、指先が痛いぐらいに冷たくて、白い世界に1人、虚無に近い心情のままたっていると、 一通の着信が入った。

晴輝

仁へ。


届いているでしょうか?このメッセージが…なんて、堅苦しいよな、俺は居ない。そうだろ?たった少し、話をしよう。

上手く信じられなかった。親友である晴輝からの連絡。 普段ならふざけたのかと思うような文

信じられなかったのは、

あいつは、

去年の今日

死んだのだから。

晴輝…なのか…?

震える手で打った文字。

手が震えたのは、寒さからなのか、今は亡き親友からのメッセージへ対する恐怖からなのだろうか…

それとも、もう一度だけ、話したいという願いがかなった事によるどうようなのだろうか。

晴輝

良かった、届いてた。

本当に…?だって、お前は、

死んだじゃないか。

晴輝

うん。

晴輝

そう。死んだ。去年の今日。

晴輝

交通事故だった。

なんで。?

晴輝

いつ話せなくなるか、分からないから話せるうちに話すね。

晴輝

まず、友達で、親友でいてくれてありがとう。すごい楽しかった。

晴輝

幸せだった。恥ずい言葉だけどさ、

晴輝

お前に出会えて幸せだった。

晴輝

俺に囚われず、前を向いて進んで欲しい。

晴輝

そんでもって、俺の分も幸せになってくれよ。

晴輝

今まで、ありがとう。

晴輝

そんで、母さんには、体に気おつけて、親孝行できなくてごめん。幸せだった。仏壇には、そうだな…カレーにでもしておいて。

晴輝

って伝えてくんね?

もちろん。言う。

絶対に。

晴輝

ww

晴輝

ありがとう。

晴輝

あとは、うん。無いかなぁ…特に伝えたかった事は、言えたしなぁ…

晴輝

無駄話を少しするか。

晴輝

死んだ時は、今日みたいに雪が降ってた。遠くから走ってくるトラックが、速くて。動けなかった。

晴輝

倒れて、血がでてて、混乱とか、そんなんで、もう、よくわかんなくって、走馬灯みたいに色々考えてさ、

晴輝

思い出すトラックの速さは、避けられるぐらいゆっくりな気がしたんだよ。

晴輝

お前らに何も言えない事とか、やりたい事とか、あったなあって

晴輝

少し、

晴輝

いや、まぁまぁ、思い残したことがあったんよ。

晴輝

言えた。伝えてくれるって言った。

晴輝

もう、大丈夫。

晴輝

俺優しいからさ?お前の事見ててやんよ。そんで、お前がこれからずっと先、死んでくる時まで、

晴輝

待ってるよ。

晴輝、

晴輝

ん?

俺も、お前とあえて良かった。

おばさんには、絶対に言う。

伝える。

晴輝

ありがとう

まっててな

遅くなるかもしれないけれど

まってて

晴輝

いくらでも待ってやんよ。

晴輝

何百って待つわ笑

そんなに長生きはしたくねぇな笑

ありがとう

晴輝

うん。

またな。

晴輝

おう。またな

ふと、空を見たげると、相変わらず雪は降っていて、

指先も冷たい。

目の前が歪む

顔が濡れてより、冷たい風を感じる気がした。

目から溢れ出す涙を、止めようとは思わなかったし。止められる気もしなかった。

相変わらず1人で、居るけれど、誰も声はかけてくれないし、寄り添ってくれる奴がいるんけでもない。

ただ、最初よりか、温かく感じた。

これは、泣いているから起こっている酸欠のせいかもしれない。

それでも、1人では、無いような気がした。

最後、この白い雪の降る世界をあいつは、見たのかな

おそんな事思うと涙は、さらに溢れ出して来た。

空の色は、

今まで見ていたよりも、綺麗な

白色だった。

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