注意書き一話参照願います
ほとけ
授業中にふと考えていた。 今まで好きになった人は何人だろうかと。
試しに片手で指を折って数えてみる。 小学校の頃隣の席になった子、班が一緒になった子、委員会一緒だった子...
んー...と頭を悩ます。両手でも足りない
僕は俗に言う恋愛体質とやらで、ちょっとでもその人のいい所を見つけただけで好きになってしまう。言い方は悪いがチョロい
ただ好き嫌いはハッキリしている。嫌いになったらもう好きになることなんてないし、好きになったら嫌いになることなんて.....ある。
まあ告白とかしてないしされてないけどね。 アピールもしてないし。心の中で好きかも〜って思うくらい。胸が高鳴ったり顔が真っ赤になったりしない
ほとけ
そういえば僕、ないちゃん達のことも好きになってたな。昔のことを思い出す
りうちゃんは〜、シンプルに可愛くてちょっとツンデレなのがギャップ萌え。 才能でなんでも出来るように見えるけど裏でとんでもない努力重ねてるんだよね。そういうところが好きだったなぁ。
ないちゃんはリーダーシップ。この先の長い人生引っ張ってくれそうじゃない? 小学生女子みたいなこと言うけど単純に面白いし。変に繕ってなくて自然体でこっちまで素で接することが出来るからな
いふくんは...本人には絶対言えないけどなんでも出来るように見えて裏でめっちゃ苦しんでるんだよね。りうちゃんと似た感じで努力で上り詰めてる感じ。多分僕は努力してるっていうギャップが好きなんじゃないかなー。
兄貴は包容力とか力強さとか? 料理できる系男子って聞いた時はほんとびっくりだよ。部活に命かけてそうな感じで身体能力滅茶苦茶高いのに料理出来るって。しかも歌声。あれは惚れるわ。文化祭で初めて聞いたけど迫力凄かったから
ほとけ
でも、ほんとの恋愛の方の すき じゃない気もするんだよなぁ。
なんかいいな〜ってとこで止まるから。惚れさせてやる!!とかじゃないの。
...だけど、今回は珍しくアプローチちょっとだけしてるの。
隣のクラスの白髪で僕と同じくらい小柄で俗に言ううさぎ系男子。かわいい子
委員会一緒でちょっといいな〜って思ってたんだよなあ
アルビノって、美しいって感じで憧れるんだよね。アルビノかはわかんないけど、肌も白いし、髪も白い。
愛でたいよね。
そんなことを考えているとチャイムが鳴った。
授業は終わり。日直が号令をする
次の授業の準備終わったら隣行こーっと...。
そんなことを考えながら頭を下げる
ほとけ
初兎ちゃん居るかなー。と窓から教室を覗き込む
周りが黒髪ばっかだから目立つはずなんだけどな。キョロキョロ見渡す。
居ない。それに教室内は変に人が少なかった。 廊下に人は出ていないし、移動教室でもない。1部の男子と彼が居ない。
ほとけ
トイレでも行って髪でもなおそうと思い、教室を後にする。 どうせ次戻って来る頃には帰ってきてるでしょ
ほとけ
手を水で軽く濡らして髪につける。 例え一時的な効果ただと分かっていても、自分が自分のことを見ている時だけでも自分が望む自分になりたい。
...自分って言いすぎてゲシュタルト崩壊しそう。
ほとけ
見た目を多少マシにしたところで、内面が悪ければ人はよってこないんだよなぁと自らの性格を恨む。
「ねえ」
後ろから声が聞こえてきた。 僕宛ての声ではないだろうと一先ず無視。鏡越しでチラッと見たけど誰もいない
「ねえ。」
手を拭ったハンカチの方を見る。 何か物を置くようなスペースに何かがいた。
ほとけ
狐?兎?犬猫?何だこの生物は
可愛らしい見た目だけど...なんというか。未知の生物のような...
「やっと気付いてくれたんだね」
ほとけ
「そんなに動揺しなくてもいいんじゃないかな?」
ほとけ
...あれ、なんで話せるのこの子。
「君は選ばれし人間だ!」
にこりと目を細めながらそういう謎の生命体。
ほとけ
「宇宙は今、存命の危機にあるんだ。」
「君なら宇宙を救えると思ったんだよ」
ほとけ
何言ってんだか。遂に僕にも幻聴と幻覚が見えるようになったかーと無視する
思春期の厨二病の頃に考えるような事じゃん。僕はそういうの勘弁
「ねえ」
「僕と契約して"魔法少女"になってよ!」
ほとけ
ほとけ
できる限りの笑顔を見せる。目を細めて、口角を上げる。
ほとけ
「別に、男の子でも素質があればなれるんだ。」
「それに今って人間、多様性の時代だからさ」
「女の子だけー。とかあんまり口走ったらいけないんだ。」
ほとけ
「無理やりフリフリのワンピースに着替えるとかはないから安心してよ。大体は本人がイメージした服装になるんだ」
赤い目がずっとこちらを見つめている。こちらも意地になって目が離せない
ほとけ
「魔法少女になってくれれば、なんでも願いを1つ叶えてあげるよ」
「どんな無理難題でも奇跡でも叶えて上げるよ。」
「例えば宝くじを当てるとか。隕石降らすとか。嫌いなアイツを殺してやるとか。」
「なんでも出来るよ」
大きなしっぽをふわりとうねらせたその生命体。 非現実過ぎて、逆にそれが興味に変わった
ほとけ
「勿論。容易いものさ」
ほとけ
「で、どう?魔法少女になる気はある?」
ほとけ
「今のはあるって言う流れじゃないかなぁ...」
ほとけ
「ふーん」
ほとけ
「居るよ。沢山。君が知ってそうな人で言うとー....。有栖?かな」
ほとけ
「ああ。そんな名前だったね。」
「1度聞いてみたら?魔法少女がどんなものか」
ほとけ
「勿論。」
ほとけ
「...守秘義務。僕からは言えないから本人に聞いてみなよ」
ほとけ
「じゃあ。僕はもう行くね」
「他の魔法少女に呼ばれたみたいだ。」
そう言って謎の白い生命体は消えてしまった。
ほとけ
1人残された此処で再び何を考えたのか
有栖本人に聞いても本人が知らなかったらただのおかしい奴じゃん...
けれど好奇心が抑えられない
ほとけ
僕はその場を後にした
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