東方projectの妄想小話集その2
全て私の妄想です。
死ネタ注意。
cp要素はある……?
前回に引き続き自己解釈、捏造、キャラ崩壊、意味不明なストーリー注意。
残りのリクエストは次回必ず出します…。
1 香霖堂の店主と先代の巫女の話
(注意 先代の巫女=旧作靈夢+死ネタ)
「霖之助さーん。これ、ツケで貰ってくわね」
「僕の店はツケをやってないんだけどね、霊夢。分かっているのかい?」
「はいはーい。今度払うから〜」
全く霊夢は……。絶対分かっちゃいないな。
適当に返事をしてひらひらと手を振り、店から出ていった霊夢。
その姿が、何故か彼女と重なった。
紫色の頭の上で揺れる赤いリボン。
霊夢より和を強調した巫女衣装。
僕の店を出る前に振り向いて笑う姿。
「霖之助、これツケでお願いね」
不意に懐かしい笑顔と共に頭の奥で彼女の声が響いた。それを皮切りに彼女との思い出が次々と溢れかえってくる。
先代の博麗の巫女だった彼女。
ツケはやってないと言うのに勝手に商品を持っていく彼女。
いつも明るくやる気に満ちていた彼女。
妖怪退治が苦手だった彼女。
いつも誰かのためにボロボロだった彼女。
嘘をつくのが下手だった彼女。
僕の特別だった彼女。
そんな彼女は、ある時妖怪退治に山のふもとまで出かけた時_____。
………全く、君は。いつまで山で妖怪退治をしているんだい?君のいない間に博麗の巫女は世代替りしてしまったし、里も随分変わったんだよ。
僕の店のツケも、まだまだ残っているじゃないか。勝手にいなくなるなんて困るんだよ。
なぁ、靈夢。何回も言っただろう?
僕の店は、ツケをやってないんだって。
_____だから、早く帰ってこいよ。
*先代の巫女と霖之助が特別な仲だったらいいなっていう妄想。半妖の霖之助は先代の所まで逝くのに時間がかかりそう。
2 月のお姫様の話
「姫様。月見団子が用意できましたよ」
「あら、ありがとう永琳」
月光に照らされて黄金色に輝く月見団子を見て、持ってきてくれた永琳にお礼を言った。
爛々と輝く月を見上げ、あそこにいた時の事を思いかえす。月には色んな物があって、何もかも思い通りだったけれど。
どれだけ食べたいと頼んでも、団子だけは食べられなかった。
月では高貴な身分の者は祭りなどで桃を食べ、反対に身分の低い兎などは団子を食べる。
部屋で独りで食べる桃は甘くて澄んだ美味しさだったけれど、何故だか寂しい味がした。
窓から見える兎達が、大勢で楽しそうに団子を食べているのが羨ましかった。
私も、団子が食べたい。
皆んなで楽しく騒ぎながら、団子を食べたい。
いいな、いいな。楽しそうでいいな。
私は______ずっと寂しいのに。
「……めさま、姫様!」
「…あら、永琳。どうしたの?」
少しばかり感傷に浸りすぎてたみたいで、永琳が心配そうにこちらを覗き込んでいた。
「兎達がやっている月見会場の準備がまもなく終わりますよ。さぁ、移動しましょう」
そう言って、私に手を差し伸べる。
「ありがとう、永琳」
差し伸べられた手を、しっかりと掴んだ。
遠くから祭囃子が聞こえてくる。
きっと、もう寂しくはならないだろう。
*お姫様だから誰からも敬われてたけど、本当は普通に接して欲しかった輝夜ちゃん。地上に降りてきてから、その夢は叶った。
3 色鮮やかに虹色の門番と悪魔の妹の話
「気符!地龍天龍脚っ!!」
「ぅ、がぁ……」
ドサ、と音を立てて私の全力を込めたスペルカードを喰らった妹様が倒れる。しばらく警戒していたが起き上がる様子はないので、完全に意識を失ったようだ。
「……良かったぁ。流石にこれ以上は危なかった……」
安心すると怪我も相まって力が抜けてしまい、ズリズリと壁に寄りかかって座り込む。
月に一度ほど、狂気に飲まれて妹様は暴走する。その状態の妹様を気絶させて、パチュリー様に鎮静魔法を打ってもらいに行くのも、私の仕事だ。
「…うっ、いてて…」
妹様の弾幕に当たった箇所が鈍く痛む。
きっと妹様は正気に戻られたら私に泣いて謝るだろう。
ごめんなさい。ごめんなさい、美鈴、と。
謝る必要など無いのに。いつも妹様は泣いて謝られる。
「めーりんも咲夜もパチェもお姉様も皆んなみーんなフランの家族!」
耳の奥で、いつしか妹様が言ってくださった言葉が蘇る。
家族。家族、ですもんね。
家族なんだから、助け合って生きていきましょう。私は貴女を守れて嬉しいんです。その言葉があれば、何も辛くないんです。
だから、自分を責めないでください。
そう思いながら、私は妹様を抱きしめた。
*優しい悪魔の妹と優しい門番。紅魔館組は家族みたいな感じで暮らしてたらいいな。
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あッッ好きッッ