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※ これは「12.川を探す」を選んだ人用の物語です。まだ「第1話 呪いの始まり」を読んでいない人は、これを読まないでください。

これから「石」を探さなければいけないわけだけれど、そういえば、今読んだ巻物の中に「石」の話が出てなかったっけ……? そうだ、川だ! 巻物に書かれている昔話の中で、人柱をしたときに川で石を拾った、って書いてある。もしかしたら、それこそが私が探している「石」かもしれない!川に行ってみよう!

今いる神社は川の隣に立っているけれど、段差があって直接川に降りられない。普段なら思い切って飛び降りるところだけれど、今は裸だから、怪我しちゃいそう。しかたないので、遠回りになるけれど階段を下りて、森を抜け、いったん村の道路に出た。誰かに見つかったら恥かしいけど、今は誰もいないから大丈夫だよね……。

しばらく歩くと、大きな川が流れているのが見えてきた。ここまで幸い誰にも会わなかった。ただ、まるで村から誰もいなくなってしまったみたいで、ちょっと怖い……。ううん、今はそんなこと気にしている場合じゃない。早く「石」を探さないと。

でも、道の上からいくら川を眺めていても、肝心の「石」が見つからない。きっとどこかにあるはずなのに……。私は思い切って川の中に入ってみた。水がひんやりと冷たい。

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そのまましばらく川の中を歩いてみても、「石」らしきものは見当たらない。困ったなあ……。どうしよう? ふと見上げると、岸辺に大きな岩があった。その上に何か乗っているように見える。なんだろう? 近寄ってみると、それは小さなお地蔵様だった。

この辺りにお地蔵様なんてあったっけ? 私は初めて見た気がする。まあなんでもいいや、今はお地蔵様にもすがりたい気分だ。私はそのお地蔵様に手を合わせてお願いした。どうか私の探し物が見つかりますように……。

さあ、「石」探しを再開しないと。また水の中へ入ろうとしたとき、足元に丸いものが落ちているのを見つけた。なんだろ、これ? よく見ると、それは直径10センチくらいの大きな石ころだった。自然に出来たとは思えないほど丸い。

やったぁ、これが「石」に違いないよ! あの巻物に書いてあった通りだもん。あとはこれを、あの森の古い神社に返して来ればいいんだ! 私はお地蔵様に頭を下げてから、急いで川を離れた。ずぶ濡れだけど、気にしてられない。急がなきゃ!

ところが、いざ森の中へと入っていこうとした時、どこからか人の声が聞こえてきた。あれぇ、おかしいな……。誰もいないと思ったんだけど。しかもこの声、美香ちゃんに似ているような……

「こっち、こっちだよ……」

でもきっと、これは偽物だ! だってこんなところに美香ちゃんがいるわけないもん。美香ちゃんは行方不明になってるはずだ。私は声を振り切って神社に急いだ。

気がつけばもう日が傾きかけている。夜になるときっとやばい! 急がなきゃ。神社にたどり着くと、私は持ってきた「石」をもとの台座の上に置いた。それから……、それからどうすればいいんだろ? ここから先の話は聞いていない。でも、とりあえず謝ろう。石を粗末に扱ってごめんなさい、ごめんなさい……

私は一心不乱に祈っていた。神社の外には夕闇が迫っている。なんだか、足音も近づいている気がした。だけど、今はとにかく祈るしかない。ごめんなさい、ごめんなさい……。

どれくらい時間が経っただろう。一生懸命祈っているうちに私は気を失っていたようだった。気がつくとそこは……。

→ 「読者参加型物語 物語編」の「エンディング」へ

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