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第一話 小包
自宅のマンションでゆっくりしていると、玄関のチャイムが鳴った。
妻は仕事でいないので私が対応しに出ると、小包みを一つだけ持った男がそこにいた。
「宅配便です。真菜さんのお宅でお間違えないでしょうか」
ああ、妻がまた何か買ったらしい。
「ええ、間違いないですよ」
私が小包みを受け取りサインをすると、その男はエレベーターで上に昇っていった。
小包の中からはカチカチと、何か機械音のような音が聞こえる。
たぶん美容のための家電か、時計か何かなのだろう。
万が一壊すと妻の雷が怖いと思い、あまり触らずにテーブルの上に置いておいた。
リビングで座りなおすと、唐突に思い出す。
そうだ、そういえば今日は冷蔵庫の中が空っぽだったんだ。
買い出しに行かねばならない。
私は部屋を出て、エレベーターで一階に降りオートロックのエントランスを抜け、
近所のスーパーに買い物に向かった。
…買い物に行って、本当に良かった。
【解説】
この小包みの中身は爆発物。機械音が聞こえるということは、おそらく時限式だね。
それをたまたまスーパーに行ったことで回避できたから、良かったと言っているんだよ。
問題なのはこの宅配のお兄さんが何者かというところだけど、
・オートロックのエントランスを抜けてきている
・エレベーターで上に昇っている(普通荷物もないなら下に降りるはず)
この2つから、このマンションの住人という線も出てくるね。
妻の真菜さんに恨みを持った人物なのか、それとも妻と結託して私を殺そうとしたのか、どっちだろう…
読んでくれてありがとうございます!
次回もお楽しみに♪