〜キーンコーンカーンコーン〜
朝のホームルームが始まる。
いつもと変わらないホームルーム。しかし、先生の話は違った。
「今日は、なんと転校生が来ています」
先生のこの一言で、教室中が騒ぎ出す。
「じゃあ、転校生、入ってきて」
その転校生は、ドアを開け教卓の横に立つ。
「じゃあ、自己紹介よろしく」
「はい。」
その声は、とても澄んでいてどこか聞き覚えのある声だった。
「僕の名前は、田中 光です。よろしくお願いします。」
ー田中 光…。
私は、その名前がとても懐かしく感じた。
「じゃあ、由雪の隣の席で」
と、先生が言うとその光という男は、私の席の隣の方へと歩いてくる。
何か見覚えのある顔。
ー…‼️そうだ!私の幼馴染だ!
澄んだ声、そしてあの名前…私は、幼馴染だと分かった。
「じゃあいつも通り、1時間目は自由時間な」
私たちの高校では、転校生が来たクラスは、1時間目は必ず自由時間となる。
「あ、後、班内で席替えもしていいぞー」
ー席替えもできるようになったんだ…
「じゃあ、まず…自己紹介する?」
そう美香が言うと
「だな。」
と、翔もその意見に賛成した。
そして、私と光も頷く。
「じゃあ、まずは、光くん?からでいい?転校してきたし。」
美香が光に尋ねると、光はこくりと頷き自己紹介を始める。
「僕の名前は、田中 光です。よろしくお願いします。」
自己紹介が終わると、私たち3人は拍手をする。
「じゃあ、次は由雪!!」
そう言いながら、翔は私の方をポンッと叩いた。
「ぇぇぇぇ⁉️なんでぇぇ」
驚いた私は、少し大声を出してしまった。しかし、周りの人達はこちらをみておらず、少し安心した。
「だって、時計回りでいったらそうだろ?」
確かにそうだ。光の左側にいるのは私なのだから。
「分かった…。」
そう言い、私は自己紹介を始める。
私の自己紹介が終わると、光が「あ‼️」と思い出したように言った。
「どうした?」
と、翔が訪ねると
「会いたかったよぉ。幼馴染よ」
と、私を拝むように言った。
『ぇぇぇぇ⁉️幼馴染なの⁉️』
と、2人が私の顔を覗き込みながら言うので、
「うん。そうだよ」
と、私は返した。
『へぇー』
「な、何(笑)」
2人は、ニヤニヤしている。
「じゃあ、美香自己紹介して〜」
と、翔が言い。
「はーい」
と、美香が返した。
〜👏👏👏〜
2人も自己紹介が終わった。
「じゃあ、席替えしたい人ー?」
と、翔が聞くと
「はーい。」
と美香が答えた。
「誰と交代したい?」
「由雪と」
「う、うちと!?」
いきなり自分の名前を呼ばれびっくりしてしまった。
「いい?桜」
と、翔が聞くので
「いいよ。」
そう私は答えた。
〜移動し終わり〜
私たちの班の席は、私の右側に翔、後ろに美香、右斜め後ろに光となった。
ー光の隣が良かったな。
本当は、私は光と幼馴染で、小さい頃から好きだったから。
ー後ろは楽しそうだな。
私たちは、「好きなテレビ番組とかあるの?」とか、「好きなゲームって何?」とか…。質問し合いっこみたい。それでも、楽しいけどね。
〜キーンコーンカーンコーン〜
そうこうしているうちに、時間になった。
私は、次の授業の準備のためにロッカーの方へと行った。すると、
「由雪」
と声をかけられた。その声の方向へと体を向ける…と、そこには光が居た。
「どうしたの?」
と、私が聞くと
「由雪って家どっち方面?」
と、聞いてきた。私は、家がどっち方面か聞かれたことがなく少し戸惑ったが、すぐに答えた。
「中仁町方面だよ」
「そうなんだ。俺も同じ。一緒に帰っていい?」
ー同じなんだ。やった!
そう思いながら、
「いいよ!一緒に帰ろ!でも、先に翔と約束してるから翔の聞いてみるね。」
と答えた。
「うん。分かった。」
と、光は言ってくれた。
〜翔にも許可を貰い、3人で帰ることに〜
コメント
2件
「それても」になってます!