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テラーノベル(Teller Novel)
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アイツが何を言ってたか。

アイツの名前すら朧げになってしまった今、思い出すことなど出来はしないだろう。

アイツの名前…

ザザ…頭にノイズが走る。

「俺の名前はお前と対になる様になってる。お前の眼は赤、俺にとっての太陽。日向の様に暖かいと、優しい人。だから俺の名前は蒼月狼影なんだ。狼は俺のことを指してる。」

蒼月狼影《そうづき ろうえい》アイツの名前だ。

なんで忘れてたんだろう。

狼影の口癖は、「俺の姫様は可愛いなぁ」だった。

俺のことをそう呼んでいた。

なんで姫様なのかは分からない。

ただ、俺も狼影が好きだった。

今なら狼影の言っていたことが分かる。

「ありがと、そして、愛してる」

そう言ったんだろう。

愛してるは分かる。

でも、ありがとの意味が分からない。

なぜ感謝している?

何かがあったのか?

考えたところで分かる訳もない。

狼影に聴こえないことを祈りながら大きなため息をついた。

狼影はもう少しでこの樹にたどり着く。

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