※これはフィクションです。
今日から俺は、高校2年生になる。普段遅刻ギリギリの俺でもクラス替えの日はなぜか早く起きてしまう。どきどきした思いで電車に乗り、バスに乗り、坂道を歩く。あいかわらず代わり映えのしない少しボロい校舎に着くと、余計心臓の音が大きくなる。2年の玄関に着き、クラス替えの結果を見る。俺は3組か。隣にいた友達に「三木は?」と聞くと、「1組」と短い返事が返ってきた。3組のクラスメートは…。これはツイてない。いじめっこの羽田と同じクラスだ。まあ、睨まれないようにしなければいいか。そう考えていると2年3組の教室に着いた。大抵2年になるとグループができて孤立するやつは孤立するもんだ。特に友達もいない俺は早くも孤立しはじめた。やがて始業式が始まり、校長のいつもの文句「えーみんなで仲良くえー過ごしましょう。」と特になんの面白みの無い話につまらなさそうな拍手を送る。無気力に校歌を歌い、教室に帰ってくる。数分後くらいに担任が入ってきて「担任の米田だ。2年間よろしく」とそのゴリラは挨拶した。米田は知ってる。学校の悪評になる行動をした生徒には半殺ししたあと、退学送りにするというボスゴリラだ。その謎の行動力のおかげで、今では生徒指導部代表だ。生徒一人一人の自己紹介を済ませたあと、これでお開きになった。三木と待ち合わせをしてそれぞれどうだったとか言い合いながら帰る。これが一番楽しい時間だ。三木と別れ、アパートに着いた。誰もいないからただいまとか言ってもむなしいだけ。9時過ぎに母は帰ってきた。父親が5年前に過労死してから母は一生懸命働いている。疲れて帰ってきてもニコニコして俺に接してくれる。ほんとに尊敬するな。明日も良い日になるといいな。
朝の登校中、俺は一番恐れていた羽田に話しかけられた。
「おい。お前さ、昨日自己紹介してた時のあの声って絶対つくってるよな?男があんな高いわけねーもんなwそんなんつくって何が楽しいの?なんかお前女みてーな顔してるし。まじオカマじゃん。」
一番話しかけられて欲しくない相手にコンプレックスであることを言われ、黙ってしまう。俺もなりたくてなったわけじゃない。羽田は、他のやつらのとこに行き、何事もなかったかのように話している。時々俺のほうを見ながら―。その日の休み時間明らかに俺のことを言ってるような悪口大会が始まった。
俺の地獄のような学校生活が幕を開けた。
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