ここは昆虫の国『インセクトランド』!沢山の昆虫たちが暮らしていますよ。今夜は満月。あれ?ハナカマキリのシャルロットと妖精の私が葉っぱで出来たカバンに種を入れて背負って何やら、忙しそうにしていますね。
ハナカマキリのシャルロット「ヨイショヨイショ、ふぅ〜。さ、あと少し。未来ちゃん、本当にお手伝いしてくれてありがとう」
「手伝いすると気持ちいいし当たり前よ。シャルロットこそお疲れ様!」
私たちが仲良くお礼し合うと風が私たちに浴びてきました。そしてシャルロットが足を滑らせ、岩の崖に落ちていきそうになりました。
「シャルロット危ないわ!」
私はシャルロットの手を繋ぎ、落ちないように自分の身体と彼女を守りました。
「未来ちゃんありがとう」
シャルロットはとても嬉しそうに笑います。
「いえどういたしまして」
私とシャルロットが笑い合うと、手を繋いだ私も風のせいで滑らせてシャルロットと共に岩の崖に落ちてきて私とシャルロットは悲鳴を上げました。
すると黒い影がすごい勢いで飛んできて、私たちを抱っこして岩の崖の下まで降ろしてくれました。
「シャルロットと私を助けてくれてありがと・・・う・・・?」
私とシャルロットが手を繋ぎながら一緒に立ち上がると影はもういなくなり、空の星だけが見えました。
シャルロット「未来ちゃん、どうしたの?」
「私たちを助けてくれた黒い影のヒーローさんにお礼を言おうとしたのにもう行っちゃったのよ。あの人何者なのかしら?」
シャルロット「確かにそうね」
私はシャルロットと明日の朝、インセクトランドのみんなと話す事にしました。
次の日、私はシャルロットと自分が夜しか姿を見せない黒い影の事をヒメボタルのアダムとオオクワガタのラファエルとギンヤンマのアクセルとナナホシテントウのミアに話しました。
ヒメボタルのアダム「え?夜になったら現れる・・・」
オオクワガタのラファエル「謎のヒーロー?」
ナナホシテントウのミア「この前、ミアも助けてもらった!」
ギンヤンマのアクセル「俺も俺も」
シャルロット「未来ちゃんと私はお礼を言いたいんだけど、誰か分からなくって」
「そうなの。助けてくれたヒーローの姿も私たち一瞬だけ見ただけで落ちていった時に目つむってたのよ」
アダム「でも、ヒーローで力持ちだったら、ガブリエルじゃないの?」
「確かに。ガブリエルだったら大きなツノあるし、いつもみんなを助けてくれてるはずだわ・・・」
シャルロット「未来ちゃん?」
「シャルロット違うの。私のかもしれない思い付きよ!」
シャルロット「未来ちゃんのかもしれない思い付き?ちょっと待って。うーん・・・」
シャルロットは私のかもしれない思い付きとシャルロットの頭を使って推理してみました、昨日黒い謎のヒーローの正体を。
アダム「そっか、ガブリエルは黄色だもんね。あ、黒い力持ちと言えば」
アダムとみんなはラファエルを見ました。
ラファエル「おいらじゃないよ」
「ラファエルは確かに黒い力持ちだけど、私とシャルロットが見た黒い影はラファエルより大きかったし、ラファエルの頭にはツノじゃなくてアゴよ?ラファエルじゃなかった気がするわ。後は後は・・・あーん、頭こんがらがってきちゃったわ」
私は頭を抑えながら困り果てました。アクセルは私の頭を撫でました。
シャルロット「うーん。誰だったのかな?」
ミア「ねえ、調べてみようよ!」
ミアの言葉にアダムとラファエルたちは彼女を見つめます。
ミア「ゴニョゴニョゴニョゴニョゴニョ・・・」
シャルロット「ん?」
「ミア?」
夜になりました。今日も綺麗な満月ですね。
草の中からミアとアダムが顔を覗かせます。ラファエルはてっぺんの木の足に登ってモンシロチョウのエデンが絡まれていたツタを手に持っていますね。見てみると、丸太でツタを結んで作った物が!てっぺんの木の上でアクセルが手を振っています。
アクセル「おーい!準備出来たぞー!」
ミア「じゃあ、始めるよ!」
ラファエル「ようし!それー!」
ラファエルは力いっぱいにツタを手に振ると、丸太はてっぺんの木に当たりました!木の上にいるアクセルはよろめきました。
アクセル「イタタ!きたきたあ!落ちちゃうよ!誰か助けてー!うわあー!」
アクセルが悲鳴を上げて木の上から羽を羽ばたかずに落ちていきました。すると二つの黒い影が!明らかに謎のヒーローとは違いますね。
ミア「アダム、今だよ!」
アダム「うん!」
アダムは頷いて飛びながらお腹の光を照らします!もうお腹の光は嫌がってません!
アクセル「あ?」
シャルロット「あー!」
「は!」
アダム、ラファエル、ミア「え?」
アダム「シャルロットと未来ちゃん?」
アダムとミアとラファエルとアクセルはシャルロットと私の所に集まりました。
シャルロット「ねえ、こんな事をしたらだめだよ。謎のヒーローさんは、困っているお友達を助けて回ってるんだから」
ミア「ごめんなさい。どうしても誰か知りたくて」
「私とシャルロットを喜ばせたいためにこんな事を?」
アクセル「そうだ未来ちゃん。お礼が言いたかったんだ」
「そう・・・私たちのために手伝ってくれてありがとう。私たち本当はとても嬉しかったわ」
シャルロット「でもきっといつか会えるよ。その時、みんなでお礼を言いましょう」
みんな「うん!」
「さ、もう遅いから帰りましょう」
わたしはみんなと共に帰ろうとすると、ミアが長いツタに足をつまずいてしまい、転びそうになりました!
「ミア!」
私が叫びました!
シャルロット「危ない!」
次はシャルロットが叫びました。
結んでた丸太が解けて落ちそうになり、私とアダムとシャルロットとラファエルとアクセルがミアを守ります!みんなは丸太に当たりそうだと思ったが、アダムが顔を上げると謎のヒーローが!満月の光に当たり謎のヒーローの正体は・・・・・・ヘラクレスオオカブトのガブリエルだったのです!
丸太が地面に落ちていき、ガブリエルは笑いました。
アダム「やっぱりガブリエルだったんだ!」
シャルロット「未来ちゃん、あなたのかもしれない思い付きでもなかったわ。未来ちゃんの言う通りだったのよ!頭が良い未来ちゃんのおかげだわありがとう」
私はシャルロットに抱きしめられ驚いたが嬉しそうに笑いました。
ミア「でも、その色、どうして?」
ヘラクレスオオカブトのガブリエル「俺様の羽根は、色は変わるのさ。普段は黄色だけど、こうやって黒にもなるんだぞ」
みんな「へえ!」
「私その事とても知らなかったし見たこともなかったわ!」
私は大興奮な笑みを浮かべ拍手します。
シャルロット「私も初めてだしすごいね、色が変わるなんて素敵!」
ガブリエル「見た目が変わるっていうのは新鮮で良いもんだな!」
みんなは笑いました。
アクセル「うんうん。俺も水の中にいた頃には今と全然違った!最初は照れ臭かったけど、今じゃこの羽が大好きさ」
ミア「ミアも羽根が無かったし、色も今と少し違ったわ!」
アダム「僕もだよ」
ラファエル「おいらも!」
私はみんなの幼虫の頃がとても知れてとても嬉しそうに拍手をしました。
「みんな少しずつ変わっていくなんてすごいわ!」
シャルロット「本当。変わるって最初は驚くし、未来ちゃんと同じく知らなかったけど、とても楽しいね。あ!」
シャルロットがある事を思い出し、私が笑うとガブリエルは驚きました。
みんな「助けてくれてありがとう、謎のヒーローさん!」
何も知らないガブリエルは驚くが、微笑みました。
ガブリエル「これからは、黄色い俺様も、黒い俺様も宜しくな!」
私は頷きガブリエルに手を振りました。
ガブリエルは大きな満月に向かって飛んで行きました。大きな満月が彼を暖かく照らしました^_^
つづく
次回もお楽しみに^_^
ガブリエル:せいちょうや、へんかをたのしもう!
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