「じゃじゃん!千隼くんでーす!!」
「…え、俺?!」
「すごー!」
嘘だろ?
レポート何書いたっけ…?
「そして副リーダーは風太郎くんでーす!」
「俺?」
「さーてリーダーも決まったことだし。活動内容について説明しますか!」
「問題です!科学研は主にどういう活動をするでしょう!
A、学期ごとに研究発表
B、文化祭やコンクールに研究したことをレポートにして出す
C、身近な問題の解決
さーてどーれだ!」
「A?」
「Bかなー」
「A!」
「Aかな?」
「C?」
「正解はー」
「ででん!全部でした!」
「科学研は大忙しだよ!」
「身近な問題の解決って具体的に何をするんですか?」
「よくぞ聞いてくれた!ずばり!
都市伝説やオカルトの部類だよぉ…」
「え?」
「いや、は?」
「え、どういう、」
「都市伝説?」
「いや怖い怖い怖い」
「ま、皆が皆調査するわけじゃなくて研究班にわかれてもらうんだけどね」
「え、でも都市伝説なんていないんじゃ」
「たしかに」
「見たことないし聞いたこともないですよ…?」
「うーん、でも実は都市伝説や怪異って本当にいて、退治できるんだよねー」
「でも、そういうのって塩とか撒くんじゃないですか?」
「いいや?まぁ都市伝説や怪異といっても語弊があるか…」
「よし!1から説明しよう!」
「まず、僕たちが解決するのは怪異などによるイタズラなんだよね」
「植物を石化させたり、勝手に物を動かしたり、まーその他いろいろ…」
「でも今年の1年生少ないから全員やることになるかな?」
「因みに聞いとくけど怖いの苦手な人ー?」
「俺は別に…」
「めちゃくちゃ怖いです!!」
「大好きでーす!」
「どちらでもないです」
「見てみないとイマイチ…」
「えーと?千隼くんと風太郎くんと陽斗くんが平気か…」
「まぁ怖い人も怖くない人も大丈夫!いずれ慣れるさ!」
「じゃあ解決方法について説明するよ!」
「ケース1、学校の七不思議への対処だ!」
「みんなの中学校にはどんな七不思議があった?」
「花子さんとか…?」
「赤い紙青い紙のやつとかですかね?」
「階段が増えるやつとか…」
「全部体験しちゃうと呪われるって…!」
「音楽室のピアノとか有名ですよね」
「お、同中の子がいるなぁ。懐かしい…」
「ま、それは置いといて…大体の現象は科学を使えば見えるようになるんだ」
「例えばピアノを鳴らしている霊は紫外線で照らせば見える、とかね」
「それで見つけてこの実験室の奥にある棚に入ってる辞典に対処法が書いてあるから名前特定して対処してね!」
「報告書は毎回書いてもらうよ!」
「そしてケース2、それが怖い話の時の対処!」
「まぁ、あんまり変わらないけど…何か怖い話知ってる?」
「テケテケとか?」
「くねくね…とか…」
「きさらぎ駅とか」
「口裂け女とか?」
「首なしライダーとかコトリバコとかですかね」
「うんうん、やっぱ何時になっても怖がられてるよね」
「でも大丈夫!これも対処法がある!」
「目撃さえすれば逃げてくから報告書作って大人に解決してもらう!」
「え、くねくねとかどうすれば…?」
「あぁ、くねくねは遠くからでも分かるからじっくり見なくていいよ~」
「そして最後ケース3、怪奇現象の対処だ」
「これはまぁそんなに無いから任された時に説明しよう!」
「さて1通り説明が済んだところで君たちに初の任務を与えよう!」
「え、授業は…?」
「科学研は任務優先だよ~」
「よし、じゃあ2班に別れる!」
「安達班、千隼、拓哉!」
「高田班、風太郎、奏太、陽斗だ!」
「安達班はきさらぎ駅の調査、高田班は聞きこみ調査だ!」
急展開で始まった初めての部活
どんな事をするんだろうと期待を抱きながら駅に向かった
「じゃ、ここから電車に乗って行くぞ!」
「はーい」
「はい!」
「…誰もいないですね」
「たしかに」
「まぁこんな真昼間からきさらぎ駅に行こうとする人は居ないだろうしね」
「でもきさらぎ駅って深夜じゃないと行けないんじゃないですか?」
「あぁ、大丈夫大丈夫!怖い話って夜の話が多いけど全然昼でも現れる!」
「へぇ…」
電車に揺られること15分
窓の向こうには特に変哲のない風景が広がっている
「このトンネル抜けたら駅だ!」
「近いですね」
「こんな身近にあったんだ…」
「きさらぎ駅に行ったとて別に人間に害はないから怖がる必要なないぞ!」
「あ、もうすぐ抜ける」
怪談とか信じるタチじゃないけど
興味はある
さーてどんな景色が、
「え…?」
「今って何時でしたっけ…?」
「んー?昼の11時!」
窓の外に拡がっていた景色は
まるで深夜のように真っ暗な駅だった
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