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3. There’s no one to love

♣¯☾¯♣ 速水寧音side

「……ただたんに家の用事で来たん。何か悪い?」

小泉ちゃんの質問に答えると、予想通り「それは……本当の事かしら」と返される。

そしてわざと暗い表情をしてから、訳ありそうな微笑みを浮かべる。

すると、小泉ちゃんは困った様な表情をしてから、「ごめんなさい」と、一言言った。

「別にえぇねん。それで、どうしてうちを呼んだん?」

「私はあなたを害そうとする意思はなくってよ。ただ、あなたがもし黒羽くんや中森さんを害そうとするのなら話は別ですわ」

「そこについては大丈夫だよ。うちは彼らを害するつまりなんてないねん。はなからわかりきってることや」

「なんでそこまで言い切れるの」

その言葉を聞きボクは、静かにして、時には秘密と言う意味になるように人差し指を口の近くにもってきた。

「I’ts a big secret…I’ll not tell you…A secret makes a woman woman…」

ボクはそう英語で言い放ってからその場を後にした。

小泉ちゃんの驚いたであろう顔を見たかったが、早々とホテルに向こう事にした。

ボクみたいな“邪魔者”がこんな出しゃばってよかったのだろうか。

♣¯☾¯♣ 黒羽快斗side

寧音が転校してきた次の日、久しぶりに母さんに叩き起された。

母さんにもうすぐ寧音が来ると言われ驚くのは無理もないだろう。

放課後来ると思っていたがなんと朝来るらしいのだ。

素早く早着替えをして玄関の扉を開ける。

扉を開けた先には……

「昨日ぶりやな、黒羽くん」

「お、おう」

「寧音ちゃん、これからよろしくねぇ。だけど私がいるのは今日の放課後までなの。ごめんなさいね」

「うちは別に大丈夫や。気使って日本まで来てくれてありがとな千影さん」

「別に良いのよぉ。」

母さんはそう言って、少し間を置いてから寧音の耳に顔を近づけた。

♣¯☾¯♣ 速水寧音side

「別に良いのよぉ。」

千影さんがそう言う。

本当に優しい人だとつくづく思う。

すると、千影さんはボクに顔を近づけて、黒羽くんに聞こえないぐらいの大きさの声で「それで、寧音ちゃんは快斗の事が好きなの?どうなの?」と聞いてきた。

これにはボクでも顔を赤くする始末。

多分、夕日で染まった街よりも赤いのではないか。

「ほな、どうするん?」

そう少しからかってみる。

現に、ボクに好きな人など1人もいない。

「まさか寧音ちゃんも快斗の事が……?」

「ふふ、そんな訳ないやん。黒羽くんは中森ちゃんが狙っとるんから。」

「そう?」

「別に、うちは気ぃつかって言ってる訳ちゃうからな。うちに好きな人なんておらんよ」

「なら良かったわ。」

そう言ってホッと千影さんは息をついた。

ふと黒羽くんを見ると、不思議そうな顔をしている。

彼は今ここでミニ女子恋バナが行われた事に気づいていないのだろう。

さて、ボクがこの家に住むとなったら中森ちゃんが黙っていないだろう。

ただ、それを表面に出すことはないだろうけど。

中森ちゃんに勘違いさせないためにはどうしようかな。

そんな事を考えていると、黒羽くんが「そろそろ入ったら?」と家の中に招いた。

「そうね、学校にも行かなくちゃだし」

「お邪魔します」

「ただいま、じゃね?」

「せやな、ただいま」

♣¯☾¯♣

「えッ!?快斗と寧音ちゃんって従兄弟関係で、寧音ちゃんは快斗ん家に住むことになったの!?」

大きな声で中森ちゃんがきちんとした説明つきでそう言う。

当然その声は他のクラスメイトにも聞こえており、辺りがザワザワしはじめた。

「それ、本当ですか?」

当然の様に白馬くんが反応する。

「まぁ、ホンマやな。黒羽くんとうち、義理やけど従兄弟みたいなんよー」

「そうなんですか」

そう言って白馬くんが黒羽くんの方に移動する。

「そーみたいだよー。オレも昨日知ってビビった」

黒羽くんがそう言うと、白馬くんは驚いたような顔をしてからまた尋ねた。

「昨日まで知らなかったんですか?」

「そーだよ。」

黒羽くんがそう言ったのを確認してから、ボクは中森ちゃんの耳に顔を近づけた。

「言っとくけど、うちに恋愛対象はおらんで。安心しときぃ」

そう言うと、中森ちゃんは急に顔をボッと赤くして焦ったような口調で言ってきた。

「な、ななな、何言ってるの!?寧音ちゃん!」

「ふふ、可愛えぇなぁ。とにかく安心して大丈夫やで」

「う、うん」

「黒羽くん、アレは大丈夫なんですか。君がよく夜やっているやつ」

「はぁ?なんのことだよ白馬」

「それも今日もあるみたいですね。くれぐれもバレないようにお願いしますよ」

「だぁーかぁーらぁー!なんのことだっつってんのー!」

「別になんの事でもありませんよ?」

「こんのヘボ探偵」

黒羽くんと白馬くんが言い合っているけれど、あえて話しかけないようにしよう。

話の内容的には、白馬くんが、黒羽くんが怪盗キッドだとバレないように犯行をしろって事だ。

探偵がそんなんで大丈夫かと思ったが、白馬くんの事だから、ですませてしまった。

「快斗ー!白馬くんも!2人とも仲良くしなさいよねー!」

「うちから見たら、えらく仲えぇけどなぁ」

「そ、そう?」

「ほら、喧嘩するほど仲がええって言うやん!」

「言うかなぁ?」

「オレは白馬嫌いだけどな!」

「快斗!」

「おや、黒羽くん酷いこといいますねぇ。僕は君の事が好きなのだけれど」

「一方的に好意よせないでいただいてもー?」

「君は僕のことが本当に好きじゃないのかい?」

「はぁ?さっき嫌いって言ったじゃねーか──っていったぁああ!?」

「快斗!嫌いとか言っちゃダメなのよ!」

話が幼稚なみで困っちゃうわ()

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