【白狐 2話】
もふ「えっと…どぬくさん…は…なんで…人間になったの…?」
と、困惑していたからか、少しおかしい聞き方になってしまったが、それにどぬくさんはしっかりと答える。
どぬく「俺ね、狐と人間のハーフで、普段は狐になってるんだけど、狐の時は言葉を話せないから、言葉を話す時とかだけ、人間になってるんだ!」
もふ「へ…へぇ〜ッ…」
どぬくさんは、いわゆる”獣人”、つまり、動物と人間の間にできた子供みたいな人らしい。
どぬくさんが狐の時は、綺麗なサラサラの白い毛で包まれた、真っ白な長いしっぽが生えた、赤と青のオッドアイの白狐で、人間の時は、白狐の耳としっぽが生えた、狐の時と同じオッドアイの男の子という感じで見えている。
俺は、どぬくさんには帰る場所がないと知った。
だから、俺の家に住まわせてあげる事にした。
どぬくさんの足は怪我していたが、幸いそんなに深い傷ではなかった。
それに、狐の本能で、人間の食べ物(麺類、米類など)を嫌う為、ご飯は毎回果物をあげていた。
もふ「ご飯だよ〜」
どぬく「わぁ〜いッ!フリフリッ!!♪」
ご飯をあげる度、しっぽを振って喜ぶどぬくさんを見るのが、癒しになっていた。
だけど、大変な事もあった。
例えば、お風呂の時。
どぬく「なにこれぇ〜?✨️」
もふ「あぁ!!💦」
もふ「それ噛んじゃダメだよ!!💦」
どぬく「んぅ?」
この様に、狐は好奇心が旺盛な動物、狐と人間のハーフのどぬくさんは、知らないものは噛んだり、口に入れたり、引っ掻いたりしていた。
どぬくさんが大人しくなっていると思って静かに覗いて見たら、ティッシュを食べていた時もあった。
寝る時は、
もふ「どぬくさん、おやすみ」
どぬく「おやすみぃ…」
ベッドが1個しかないから、いつも同じベッドで一緒に寝ていた。
俺は、どぬくさんといる度、胸が締めつけられる様に苦しくなる。
どぬくさんの笑顔を見た時は、胸がドキッと鼓動を鳴らす。
これは、『恋』なんじゃないかと思っている。
でも、仮にもどぬくさんは男の子。
男に恋する男なんて、変だと思って、ずっと気持ちを伝えずに、2人で過ごしていた。
どぬくさんが来てから数日が経った。
相も変わらず、どぬくさんに恋をしていた。
そんなある日、どぬくさんが外に出たいと言っていたから、人が少なくなる夜に、人気がない場所に連れていく事にした。
夜になり、辺りは真っ暗。
今は、人気のない場所に向かっているところだ。
どぬく「ねぇねぇ、どんなとこに行くのぉ?✨️」
と、目を光らせながら、どぬくさんが聞いてくる。
もふ「綺麗な物が見れる所だよ((ニコッ」
どぬく「((ドキッ…」
どぬく「(なんだろう…今の…)」
数分後、目的地に到着した。
到着した途端、どぬくさんが、
どぬく「ふぁ〜ッ…✨️」
また目を光らせながら、空に目を向けていた。
どぬく「綺麗だねぇ〜ッ…✨️」
そう、ここは人気が全くない高台。
今日は綺麗な満月。
ついに、あの事を言う時がきた。
もふ「…どぬくさん…」
どぬく「?なに?」
もふ「今日は…“月が綺麗ですね”…」
どぬく「…ふぇ…?/////」
照れるどぬくさん。
もふ「…どぬくさんッ…俺とッ…付き合ってくださいッ…!!」
胸をドキドキさせながら、どぬくさんからの返事を待つ。
どぬく「…これから…よろしくねッ…//////」
もふ「!!…うん…!!」
‐白狐‐
ℯ𝓃𝒹
コメント
3件
いつも最高な作品を作って下さりありがとうございます!
うわー胸きゅん♪