コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
いやいやいやいや、強制入隊かよ?!
って思うのも無理ないよな…!!だって、急に目が覚めたら人魔研究所にいたし、、、
もうこれからどうなるんだよ?!
焦りと驚きを隠せない響也を見てレヴィは、
考えた。
(ふむ、相当驚いているな…まぁ急に入隊しろと言われてるからな…状況が理解できていないのだろう。)
レヴィは真剣な眼差しで響也に一言言った。
「響也、お前は半人半魔だ。世界で初の半人半魔が誕生したんだ。
半人半魔は、人魔なのか人間なのかまだ世間によく知られていない。そこで玲国の政府、**「暁月家」**はお前を保護するつもりだろう。」
「響也、暁月家には注意しろ。あそこは玲国の政府として国を管理しているが、裏では悪い組織なのではないかと噂されている。」
「国民は皆、暁月家を信用しているようだがG2K所属のやつらはあまり信用していない。」
「最近の調査によって、暁月家の裏情報が見つかっているんだ。」
「だからもしお前が政府送りになったら地獄を見るかもしれないぞ。」
響也は、 話を聞くにつれて静かになっていった。そして…
「…政府送りって、具体的に何されるんだよ?」
「そうだな、実際にあったとされている例でいうと…じ「暁月家の最高権力者の暁月叶芽の能力によって人々が次々支配されてるんじゃ!!」
話に割り込んできた珠莉が言った。
「まぁ、そういうことだ。とにかく暁月家は危険視しておいた方がいいと私は思うぞ。」
「珠莉様の手にかかればあいつらなんか楽勝じゃよ!!!」
目覚めてからここに来るまでに分かったこと、それは…
俺は半人半魔、そして政府に狙われている。魔伐隊に強制入隊しないといけない。
研究対象としてG2Kのやつらに実験やら何やらをされる。
「強制入隊…ってさぁ、なんでなんだよ?先輩…」
「なんでって…政府に奪われるよりもうち《魔伐隊》で保護した方が安全だし、お前の能力を活かせるかもしれないからだ。」
「これは優吾様からの命令なんだ。優吾様に逆らうことは絶対にできない。仮に逆らったとしても政府に捕まるぞ。」
「おとなしく入隊した方が自分のためだぞ。」
「じゃあ入隊するけどさ… 」
「俺、家で父親を養わないと…だから仕事とかあんまできないかもよ?、」
「…父親か」
「…残念だが、お前の父はもうこの世にはいないぞ。お前の父は死んだんだ。」
「…え?」
「お前の父はお前を守って死んだ。」
「….」
話を聞いているうちに頭が混乱してきたが、分かったことがある。
俺の父親は、「人魔」によって殺された。
俺の家は普通の家庭と比べて貧しく、お金がなかった。
高校にもいけずにアルバイトだけを頑張ってきた。
父は借金に追われ、母は父と俺をおいて他の男と過ごすようになった。
父からは暴力暴言その他諸々を受けてきた。俺は虐待されていた。
だがそんな父が俺を守って死んだ。
なんで?
俺は長い間考え続けた。
だが心にぽっかり空いた穴が埋まることはなかった。
「…急な展開で頭が追いついていないじゃろう、響也。」
「…」
「…貴様が政府に捕まる前に入隊手続きを進めておくぞ。」
「人魔によって知り合いが殺された人間はこの世に何万人も存在している、」
「珠莉様だって…」
「…まぁ、この話はいいじゃろう。」
「珠莉様はもう行くからな。少し気持ちを落ち着かせておけ。」
〜魔伐隊沢渡本部〜
受付前エントランス
「魔伐隊沢渡本部へようこそ。隊員の方、またはG2K所属の方は隊員カード、研究員カードを提示してください。依頼者の方はあちらへどうぞ。」
「カードを拝見させていただきます。ええと、魔伐隊第二部隊隊長…ジルさんとG2K研究員の…レヴィさんですね!お疲れ様です!本日はどのような要件でしょうか?」
ジルとレヴィは響也の入隊手続きをするために魔伐隊沢渡本部へやってきた。
「…例の半人半魔の件なのです。彼、入隊するそうなので入隊手続きを進めて欲しいです。」
「藤宮響也さんですね!分かりました。彼は重要人物ということなので、最高責任者様に直接連絡をさせていただきます。あちらの方でもうしばらくお待ちください。」
受付の女性が椅子を指差すと、最高責任者様に連絡し始めた。
「…では、あちらの椅子に座ろうか。」
「はい。ところでレヴィさんに聞きたいことがあるのですが、」
「ん?どうした?」
「藤宮は、ちゃんと魔伐隊隊員としてやっていけるのでしょうか?」
「んー、どうだろうな。まだどっちの味方か分かっていないからな。」
腕を組みまたため息をつくジルと 足を組んで考えるレヴィ。
ふと、レヴィが言った。
「…なぜそんなことを私に聞く?」
一点を見つめていたジルが話し始めた。
「…半人半魔なんて、俺は信用しませんよ。何があっても。」
「人間が人魔か分からない中途半端な存在と一緒は正直嫌です。」
「…でも、上からの命令なんだろう?最高責任者様からの。」
「それは、分かっています。分かっているのですが、、、」
「…」
「お待たせいたしました!最高責任者様からの伝言です。部屋に来て話がしたい。とのことです!その時、藤宮響也も連れてきてほしい、とおっしゃっていました。響也さんの方は樹雨煙さんに連絡済みですので、後ほど来ると思います。要件は以上でよろしいでしょうか?」
「…はい、大丈夫です。」
「大丈夫だ」
「では9階へお向かいください。 」
〜人魔研究所入り口前〜
父は俺を守って死んだ、か…
ずっと思い出そうとしてるのに、目覚める前の記憶が思い出せない…。
なんで、、
なんでなんでなんでなんでなんで
俺が半人半魔化したせい??
そもそも半人半魔って?
あー、もうおかしくなる…誰か、
俺は父が好きだったのか、、??
それとも…。
「藤宮っ!」
….!!
あ、ぇ、あれ?ここは…?
「大丈夫か?」
「えっ、ここは?てか誰っ、」
「こいつは樹雨煙《きさめえん》珠莉様と同じでG2K所属の研究員じゃよ。」
「あれ、俺車に乗って、る…」
さっきまで入口にいたはず、なのに
「意識が飛んでるんじゃろ、悪い知らせを聞いた後じゃからな」
「おっと、そういえばまだ自己紹介してなかったな!」
「珠莉様の名前は喜泉珠莉《きいずみしゅり》じゃ!好きなことは実験!嫌いなことは命令じゃ!」
…喜泉珠莉、か
こいつはよく喋るな、それで、運転してるのは…樹雨煙。
…茶髪で髪が長い、男だよな多分。たばこ吸ってる、クール系の性格っぽいな。
「あ、ちなみに樹雨は珠莉様の手下じゃ!」
…?流石に嘘だろ…こんな10歳くらい離れてるような大人が手下なんて…。
「おいおい、手下じゃなくて保護者の間違いだろ珠莉。」
「保護者ぁ〜?なんじゃと貴様!貴様の方が子供っぽいじゃろ!」
この二人はどういう関係なのか、見た感じただの研究員同士とは思えない。
「仲良いのか?二人、」
「仲良いも何も珠莉とは同居してる。」
「…え?」
「なんでって思ったじゃろ、笑」
にやっと笑った珠莉が言った。
「…珠莉様の両親は人魔化したんじゃ。」
半人半魔 内容解説①
◯魔伐隊
→人魔討伐隊。人魔問題や人魔による 悪事
を討伐などによって解決する組織。 魔伐隊本部は沢渡市に位置している 。 G2Kとは協力関係にある。
魔伐隊員は階級で強さが決まっている。
下級(新人)中級(一般隊員)上級(強い、実力のある隊員)と階級が決まっている。
◯藤宮響也
→世界初の半人半魔。
父を人魔に殺された(?)
オッドアイ。右目が青色、左目が赤色。