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テラーノベル(Teller Novel)
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何日くらい経ったんだろう。親は心配でもしてるのだろうか。あんなこと言われたとは言え、親は親だし心配してるだろうな。学校はどうなった?テスト受けてないけど大丈夫なんだろうか。…あぁ、またくだらないことを考えてしまった。もうどうでもいいことだ。こんなくだらないことを考えてしまうのには理由がある。暇だからだ。死ぬまでこんな暇が続くなんて耐えられない。死ぬ方法はもっとあとに考えるとして、とにかくなんかやることは無いだろうか。

「ねえ、先生。暇だよ。なにかしよーよ。」

「……勉強でもしてれば。」

「死ぬっていうのにそんな無駄なことしてらんないよ、もっと他にあるでしょーよ。」

「お前馬鹿じゃん。勉強できねーじゃん。死ぬんならせめて馬鹿を治してから死ねよ。」

「うーん、痛いとこ突くね。それもそーか。じゃあ勉強教えてよ、先生。」

「……仕方ねえなぁ、待ってろ、色々持ってくっから。」

それから何日間かに渡って私たちは勉強をするようになった。(正確には私が教えて貰ってるだけ)。先生は理系だから理数系を重点的に教えて貰っていたのだが、数学は意外と面白いことがわかった。今まであんなに嫌いで苦手だったのに、もっと先生の授業をよく聞いとけばよかった、と後悔した。答えが必ずあるし、そこに行き着くまでの公式の当てはめがパズルみたいで面白い。理科もなかなか興味深いものがあった。物理、化学、生物、地学、とくに化学と生物は繋がっていて面白いと思った。

「ねえ、先生。こんなんじゃ私本当に馬鹿が治りそうだよ。」

「いいじゃない。お前はやれば出来る子だよ。」

勉強も、悪くないな、色んな意味で。

……………………………………

「ちょっと休憩するか。」

先生がぬるいコーラを持ってきた。

「暑い…こんなぬるい飲み物じゃ世界が終わる前に私が溶けて消えてしまうよ。」

「溶けて消えるならそれはそれでいいじゃない。」

「あーーー、話通じねーなー。」

もう2週間以上たっているんじゃないか?この状態。私は1歩も外にでていないし、先生も食料調達以外で外には出ない。1日が24時間もあるおかげで私の馬鹿は治りそうだしもっと他にやることは無いのかね。

「ねえ、先生。勉強以外のことがしたいよ。」

「ねーよ。んなもん。」

「…あの日、先生は私についてきて欲しいって言ったけど、なんでなの?なんであの時誘ったの?」

「なんでだろーなー。」

「またはぐらかした。これだから大人は嫌だね。もっと素直になれよ、こら。」

「…1人が寂しかったんだよ。いや、寂しいって言葉では表せない、もっと複雑な感情があったんだ。とにかくお前に会えた時、少し、嬉しかったんだよ。」

「…へぇー。」

「興味ねーじゃん。聞くなよ。」

不覚にも先生の「会えて嬉しかった」の言葉は今の私には充分すぎるくらいドキドキするものだった。

夏だ。夏だ。この蒸し暑さと先生と一緒にはやく溶けてなくなりたい。

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