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「主人格?」

訝しげな様子のボスに向かって白髪ロングが叫んだ。

「もしかして……解離性同一性障害か?」

「あっははっ!そうかもね?」

あたしがそういってあげると、紫ウルフカットは涙目になった。

「不満とかあったの?それが原因とか?教えてくれる?」

「…」

こいつ、バカじゃん。

「主人格のことが好きなら大切にしなさいよ」

「はっw」

主人格には聞かせないような冷たい声で笑った七三紫。

「あいつは、あくまで玩具。

同等の立場じゃあない。

それがいいんだよ、分かる〜?

なぁ、お前には____

人より優位にたった時の興奮が!

その喜びが!分からないだろ?」

そんな言葉を吐いた七三紫を睨みつけながら、ため息をついた。

「あんたとは、分かり合える気がしないわ。それに分かりたくもないわ、あんたのことなんて。」

吐き捨てた言葉に重ねるように黒髪が涙を流しながら懇願してきた。

「頼む、主人格のアイツに変わってくれ!謝りたいから。」

ふぅん……こいつ、無自覚なんだ。狂ってること…やば。

「わかった、いいわよ。」

そして、主人格に戻った振りをして、優しい目つきに変えてあげた。

「んぇ…?私、今人格交代してた…?」

「あぁっ!」

黒髪が真剣に聞いてきた。

「俺らは歪だったんだな、今日から優しくなってやるから。」

は?

それは、かりそめのお前ら。

本当のお前らを好きにならないと意味が無い。

お互い我慢し合う関係はフェアじゃない。

「は?ふざけんなっつーの!

あたしの伝えたいことぜんっぜん分かってないね!」

悲しい悲しいっ!なんでこんな気持ちになるのか。それは、、、

「主人格はあなた達のことを好きになろうとしていたの。

でも日々だんだん壊れていった。

限界が来たからあたしと人格交代したのわかんないかなぁ……?

それに、あんたたちが無理して主人格に合わせてたってそんな関係苦しいだけよ。

あんた達の感覚はあんた達の感覚を理解してくれる人に話しなさい。そして主人格のことを愛してあげなさい。」 

あたしが言いたかったことはこれで言えた。

いつ戻ってもいいわよ、主人格。

『じゃあ、そろそろ戻るね。』

優しい声が頭に響いて、体がふわふわした。あたしはその甘さに身を委ねた__


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