「ママ! ママ!」
麗がそう言って私に向かって歩いてくるのを見てると、ホントにもうたまらなかった。麗に『ママ』って言ってもらえるのが最高に嬉しかった。
だけどさ、そうすると考えちゃうんだよ。シュンくんは『パパ』って呼んでもらえないんだなって。代わりに叔母さんのことも『ママ』って呼んでもらってるけど。やっぱ、パパじゃないよね。叔母さんは。
何もしてくれなかったシュンくんに対してはもう別に愛情も感じないけど、でも、
「麗、今のままじゃお父さんがいないってことになるんだよな……」
そんなことも思っちゃう。
あともう少しで、私も二十歳。この頃はまだ二十歳が成人年齢だったからね。そこでやっと親の許可なくても結婚できるようになるんだ。
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