【猫と愛人と〇人と。】
むかしむかし、あるところになかのいい夫婦がいました。
その夫婦は新婚であり、とても愛し合っていました。
けれどお嫁さんが病にかかってしまい、ベッドから降りられない状況になってしまいました。
「…おはよう、今日はどう?」
「ん…今日は大丈夫だよ。ありがとうなぁ…ゴホッ」
「あぁ言わんこっちゃない…」
お嫁さんは毎日咳をしていて、いまでも死にそうなほどに弱くなってしまいました。
「ちゃんと暖かくして寝なよ。」
「ん、ありがとう。」
お嫁さんのために旦那さんは必死に頑張りました。
治療費を集めるために、朝から晩まで働き続けました。
けれどお嫁さんの体は弱っていく。旦那さんは凄く不安でした。
このまま最愛なる妻が死んでしまったら?
そう考えるとは息が詰まりそうで仕方がありません。
「……淳子、」
「…なぁに、どうしたん?」
「…なんでも。」
毎日呼びかけて返事が来るのが、旦那さんの生きがいでした。
そしてある日突然、目の前に魔法使いを名乗る男が現れました。
その名は”流星”と名乗りました。
「お兄さん、奥さんがいま大変なんでしょ」
「な、んでそれを」
旦那さんは驚きました。
「んふ、いいこと教えたる。」
流星と名乗る魔法使いはこう言いました。
別の種類の猫を毎日集めて血を採取する。
その血を融合すればきっと妻は元気になるだろう、と。
「……わかった、」
でも旦那さんは躊躇いがありました。
旦那さんは猫を飼っていたからです。
けれど旦那さんはお嫁さんのためだと思い、猫を回収することにしました。
「……ごめんな、ごめんな…っ」
“ふ”み”ゃぁぁぁあ!!!!”
猫の悲痛な叫び声と共に聞こえるのは旦那さんの謝罪でした。
「……………これで、11匹目…」
もう旦那さんは手遅れでした。
けれどお嫁さんは少し元気を取り戻していました。
「あら淳子さん!今日は外に出れるのね!」
「たまには太陽の光を浴びなきゃ体も不安定になるかなって思って。」
「それもそうね笑」
「………あ、智洋」
「あら旦那さんじゃない。」
お嫁さんは不思議に思っていました。
旦那さんはフラフラとしていました。窶れている顔、光のない目。
ボロボロになった服。
しばらく家に帰っていなかったのでしょうか。
「………ちょっと行ってくるわね。」
そうしてお嫁さんは旦那さんを追いかけました。
「智洋、智洋!」
「……淳子、外に出れるようになったんやな。」
「え、えぇ…智洋は一体何をしてるん、?」
「俺は…いま試薬をしてるんよ。君を元気にするために」
「そ、そうなん、?」
お嫁さんに差し出されたのは明らかに怪しい色をしていた。
「さぁ、飲んでみてや。」
「え、な、…嫌よ、」
「ええから、なっ、?」
「ちょ、智ひr……っう”ぐっ…」
旦那さんはお嫁さんに無理やり飲ませました。
お嫁さんはそれを全て飲み干しました。
「……っはぁ、はぁ、っう”っ…あ”ぁぁぁぁ」
すると突然、お嫁さんは叫びだしました。
旦那さんは焦りました。だってこんな光景は初めてなのですから。
「じゅ、淳子っ、淳子…!」
「と、智洋……たすけっ…」
お嫁さんは死んでしまいました。
それも口から大量の血を流しながらです。
するとそこに魔法使いが現れました。
「……あちゃぁ、ダメやったみたいやな。」
「どういうことや……」
「こういう事やよ。いい実験になった。ありがとうなぁ」
魔法使いはどこかへ消えてしまいました。
そして旦那さんは泣き叫びました。
数分後、そこに飼い猫がきました。
「…照史、なんでここに来たんや…?どうs…」
その瞬間、飼い猫は旦那さんの目を引っ掻きました。
そして、喉を引っ掻いて、旦那さんにこう言いました。
「…あんたがやった事は二度と許さん…ええか…俺はずーっと…ずっと…見とるからな…っ!」
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「みなさん、今回のお話はどうでしたか?
…あぁ、申し遅れました。重岡大毅と申します。
今回のお話は愛人と猫がテーマのお話です。」
軽くだけ、説明させていただきます。
旦那さんは神山智洋さん。お嫁さんは淳子さん。
突如現れた魔法使いは流星、本名は藤井流星。
猫の照史です。
智洋さんと淳子さんは仲睦まじい夫婦でした。周りがすごく羨ましがるほどでした。
けれど淳子さんは病にかかってしまいました。
それは白血病でした。
今の時代は治療のできる病気ですが、昔はそう簡単ではなかったんです。
病気を治したい智洋さんはお金を集めて、治療のできる所へ行こうと思いましたが、お金が集まらなく、断念していました。
そして現れたのが藤井流星。
彼は猫の血を集めて融合すれば、きっと助かるだろう。
そう言いました。
それを聞き入れ、智洋さんは猫を回収しては〇し、血を集め融合しました。
そして月日が流れ、淳子さんは久方に外へ出ました。
するとそこに現れたのはボロボロの智洋さんでした。
淳子さんは気になり智洋を追いかけました。声をかけると試験管にはいった血を飲ませようとしました。
無理やり飲ませた結果、淳子さんは死んでしまいました。
流星の実験はこのとき終了しました。
その反面、智洋さんは絶望しました。愛しの嫁が自分の手で死んでしまっから。
すると突如現れた飼い猫の照史。
照史は智洋さんに声を掛けられた途端、目を引っ掻き、その直後に喉を引っ掻きました。
照史は怒り狂っていました。自分を優しく撫でてくれ、ご飯もくれ、幸せな空間をくれた飼い主が狂人になってしまったからです。
「……こんな感じやな。まぁ、愛してる人の為なら全力でやりこなすことはええ事やけど、その分裏目に出てしもうたんやな。」
「……もうこんな時間か、ほな、また今度お会いしましょう。次は…中間淳太がご案内してくれます。」
NEXT→絶望のカバネリ。
コメント
4件
待って、Snow Manも好きだけど、WEST.の物語すっごい好きだから嬉しすぎる!
悲しみな