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春「ふわぁ、、」
小鳥の囀りと共に俺こと澄川 春は不安に駆られながら学校へ行く支度をしていた。
春「ねぇ、ほんとに行かないといけない?」
三「当たり前でしょ、男なら決めたことはやり通す!」
春「(俺は女なんだが、、)」
そんな不満を零しながらも幼馴染みの古風 三奈とリビングで話をしていた。
三「じゃあ私は行ってるね」
春「行ってらっしゃい」
さてどうしたものか。
今日古風は委員会の仕事があり少し早めに出た。
俺はと言うと…。
春「女の子になったこの体で外に出て、ましてや同じ高校のやつと出会ったらまずいな。とりあえずはギリギリで行くか。」
そんなことを考えながら時計の針が回るのを待っていた。
〜学校〜
可愛いと言われたからナンパにでも会うんじゃないか心配だったがそんなことは無かった。
春「(よし!やはり人は少ない。)」
辺りを見渡しても4、5人程度しか居ない。
俺は憂鬱な思いを封じ込め階段を上がった。
教室のに近づき自分の足音を小さくした。
教室付近には少ないにしても人がいた。
他クラスの子「あの人知ってる?」とか、「あんな子うちの学校にいたっけ?」とか言っていたのが聞こえて余計心臓がバクバクした。
教室の後ろから入りゆっくりと自分の席に近づく。
自分の席は窓際の1番後ろとかいういかにもな席。
ただ、そのおかげで誰にもバレずに行けそうな気がした。
俺は息を極力抑えて自分の席に近づいた。
その瞬間。
「え?何あの子?」
その言葉と共にクラスメイトの大半が俺の視線に集まった。
「なんか髪白っぽくない?」
「え、めっちゃ可愛い」
「誰か知ってる?あの子」
「転校生じゃね?」
そんな声があちらこちらで聞こえてきた。
俺はその声をできるだけ無視し自分の席に座った。
幸い隣の席が古風なので何かあれば頼る他ない。
席に座り未だにクラスメイトが自分を見つめている中、そそくさと古風が帰ってきた。
春「古風、これからどうしたらいい?」
三「ん〜、頑張って!」
くそ、古風を信頼した俺が馬鹿だった。
どう言い訳するか考えてるとチャイムと共に担任が教室へ入ってきた。
担「はーい、ホームルームはじめm…」
担任と目が合った。
俺はとりあえず視線を逸らし、また目を合わせた。
担任は固まっていた。
そりゃそうだろう、転校生なんて聞いてない筈だし誰だこいつってなるだろう。
反応としては古風にも同じ反応をされた。
担「君は…誰?」
先生の硬直が解けて俺に聞いてきた。
春「澄川 春です…。」
クラスがザワザワし始めた。担任も似たような気持ちらしく。
担「は?」
春「いや、だから澄川 春です…。」
担「え、いや、転校生なんて聞いてない…しな」
こいつは俺の話が聞こえてるのだろうか。
まぁ確かに、声は完全に女子だし、普通の反応だろうな。
春「ちょっと事情があってこうなりました。」
担「あ、あれか!コスプレにハマったのか!学校でコスプレするのはダメだぞ、声も戻せよ」
春「いや、普通に女になりました。」
クラスがもっとザワザワしはじめる、ただ1人古風 三奈を除いて。
担「お前が?」
春「はい」
担「なんで?」
春「わからないです。」
担「はぁ〜、どこの誰だか知らないけど、早くお家に帰りなさい」
春「ほんとです!」
少し大きめな声で返答した。
確かに信じれない気持ちは分かるが流石にここまで信じて貰えないと苛立ってくる。
春「あ〜もうキリがないのでここにいるクラス全員言います。」
俺は端っこから徐々に名前をあげて言った。
春「金堂 瑠花 伊藤 誠一…………………….古風 三奈!」
春「はぁ、これで信じて貰えましたか?」
担「お、とりあえず分かった。後もう少し女の子らしい言葉を使えよwとりあえず時間ないからこれで終わり!」
少しこの教師に腹が立った。
とりあえず信じて貰えただけ良かった。
俺はこれからの学校生活に不安を感じながらもとりあえずのことはてきたことに若干満足していた。