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「あえ?チーノと…死神くん?」
通りかかったのは同期で元友人のチーノと、背が小さくて紫色の髪をした死神という名の可愛らしい男子生徒。
「あ!雪乃ちゃん久しぶり!」
可愛く手を振る死神と訝しげにこちらを見るチーノ。
「あれれ、なんでこんなとこで死神くんと2人きりで歩いてたのかな、元友人のチーノくん?」
「お前根に持ちすぎやろ。別になんも如何わしいことなんて無いわ。な、しにー?」
「え、うん…」
「なんでちょっと自信なさげなん」
「…ふーん」
「だからちゃうって!ちょっと用事があってしにーと話しながら歩いてただけや!」
死神くんはそれはそれは可愛らしい男の子なので、何かあってもおかしくない。
そう、こういう下心しかない男なんて尚更危険だ。
「まぁいいや、一応ダメ元で2人にも聞いとこうかな」
雪乃は美希とミナミを見た。2人も首を縦に振る。
チーノと死神は頭に疑問符を浮かべた。
雪乃はことの経緯を話した。
が、2人ともムウマのことは知らないらしい。
「…で、もしかしたら高等部にムウマと関わりのある人物がおるかもっちゅーこと?」
「ソーナンス」
ふざけたら美希に頭をしばかれた。
「…僕、ぺいんとさんとかに聞いてみようか?」
ここで1人の天使が舞い降りる。
名前にそぐわず可愛い天使が。
「え、いいの?」
死神から出た『ぺいんと』という人物は、死神と同じゲーム実況グループに所属している一個上の先輩にあたる。
「うん、全然いいよ。なんなら放課後会うことになってるから一緒に行く?」
「可愛い。行く」
「おい、漏れてんぞ心の声が」
チーノの厳しい監視の目が光る。
可愛いのは可愛いから仕方がない。
「これで聞き込みが出来るかも。やったね、美希、ミーナ」
「ごめん、私放課後忙しいから行ってきてくれる?」
「私も行きたいのは山々なんだけど、放課後先生とお話があって…」
「なるほど、そういう運命だったわけ、か」
1人納得する雪乃。どこか悲しそうだ。
「わかった、可愛い友人2人のために、私行ってくるよ!で、死神くん、どこで会うことになってるの?」
「高等部だよ」
雪乃はやっぱりやめようかなと思ったけど美希様の眼力に耐えられず、全てを諦めたのだった。