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主要登場人物一覧
望月輝人(25)…3代目主人公 西部教育第2中隊所属 隊員候補生
片倉陵(20)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
進藤翔馬(23)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
大倉悠馬(24)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
木原菜月(20)…西部教育隊第1期第2教育隊所属隊員候補生
水崎一躍(36)…ULTIMATE西部教育隊所属教官 第1期第2教育隊担当教官
室口翔平(58)…ULTIMATE総監本部所属 3代目総監
岸田正龍(37)…ULTIMATE総監本部所属 地方方面隊統括官
長内貴也(65)…西部教育隊隊長
和嶋幸道(40)…西部教育隊副隊長
前期教育隊に入り2ヶ月が過ぎた。
この日、初めて外出許可が下りた。外出許可がおりたという事もあり、新入隊員らは朝から張り切っていた。
「やっとここから出れんのかー。長かったなー」そう言いながら大倉は私服に着替えた。
「これで外出しねー奴とかいんのかなー。」片倉が聞くと大倉は笑い声をあげた。
「いねーだろ笑」そう言いながら大倉は進藤に目をやった。
「進藤、お前はどこにも行かねーのか?何も準備してねーけど」
「俺か?ちょっとな。」そう言うと進藤はスマホを片手に握りしめた。
「お前らー。どこに行くんだ?」突然、水崎がやってきた。
「は?急に入って来んなよ。」片倉が叫んだ。
「別にいいだろー。でどこに行くんだ?」
「俺は実家に帰るかな。ひとり親だし帰ってやんねーと」片倉が言うと水崎は手を叩いた。
「素晴らしいなー。そうするといいよ」そう言うと水崎はそのまま望月のもとに向かった。「望月、ちょっといいか?」
「は、はい」水崎に言われ望月は部屋から出て行った。
「お前これからどこに行くんだ?」
「特に予定は無いっす」
「そうか。実は赤木がお前を近畿方面隊長に推薦したらしくてな。どうだ?今から近畿方面隊に行かねーか?俺もついていく。」
「今からですか?」
「おう。無理だったら良いけど」
「わかりました。行きます」
「よし。なら俺の車に乗れ。運転に関しては俺かなりの腕前だからな」
「そうなんすか笑」水崎と望月は笑いながら廊下を歩き出した。
その様子を見ながら進藤は女子寮に向かった。
「進藤くん。ごめん。用意に少し手間取って」「おー。木原」
「思ったんだけど、うちら付き合ってるわけだしお互い下の名前で呼び合わない?」
「お、おー。良いけど。なら〜菜月で」
「翔真。」
「な、なんか照れるな笑」
木原菜月。望月らが所属する第1期第2教育隊所属の新入隊員で、進藤からのアタックで2人は付き合うことになった。
1ヶ月前
午前中の座学を終え、新入隊員らは午後からの訓練に備えていた。
「あ、あの木原さんすよね?ちょっと今時間有ります?」
進藤は男子がいなくなったのを見て木原に声をかけた。
「え?あ、はい。」
「な、なら今から屋上に来てくれませんか?ここの建物の」
「あ、はい、わかりました。」
「じゃ先行って待ってます」そう言うと進藤は制帽を目深に被りそのまま屋上に向かった。
「ねーねー。ちょっと呼ばれたから行ってくる。先食事いってて」木原は同期の女子に声をかけた。
「え、誰に呼ばれたの?」
「進藤くんに」
「えー。それって告白とかじゃないのー笑」
「そ、そうかな。分からないけど」
「えー絶対そうだよ。あんたモテるねー」
「ま、まだ告白されるとか決まってないし」
「とにかく行ってきな。先食べてるから」
「わかった」木原は鞄を預けるとそのまま屋上に向かった。
屋上に着くと既に進藤がいた。
「あ、来てくれたんすね」
「呼ばれたんで」
「あ、そうっすよね笑えっとー。そのー」
「どうしましたか?」
「えっとー。気持ちを率直に伝えます。私、進藤翔真は、木原菜月さんに惚れました。良かったら俺と付き合ってください」
そう言うと進藤は制帽を被ったまま頭を下げた。数秒間、沈黙の時間が流れたあと木原は静かに微笑んだ。
「いいですよ笑」
「えっマジすか?」
「うん笑てかなんで制帽被ってんの?笑笑」
「え?あー。いや、正装で告白した方がいいかなーって思って笑笑」
「なるほどね笑ネクタイ曲がってるけど笑」
「あ、ほんまや。」
進藤は顔を赤く照らしながらネクタイを結び直した。
その時だった。進藤の唇に驚くほど柔らかな唇が覆いかぶさった。