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テラーノベル(Teller Novel)
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次は元気のいい黄色いやつが嬉しそうに名乗った。

「ついに私の番が来たか!私の名はドンキホーテにて候!番号は3番だ!」

声でかいな。ドンキホーテ…

あだ名はドンキッキだな。資料には情熱的で、フィクサー?っていうやつが好きらしい。

〈フィクサー…?〉

って時計頭が分からないから呟いた。

ドンキッキは教えてあげよう!と早口で喋り出したが、ヴェルにキレ気味に

「軽い挨拶で済ませろって言ったと思うんだが。」

と言われ、大人しく席に戻って行った。可哀想に…


次は左右の目の色が違う男が名乗った。

「ホンルといいます。上手くやっていきましょう、僕たち。あ、番号は6番です。」

ホンル…いいあだ名が思い浮かばんからそのままでいいや。

「僕以外に目の色が右と左で違う人を初めて見ました〜。」

…俺を見てホンルが言ってるってことは俺の目の色って左右で違うのか。

資料を見るとこいつは箱入りのお坊ちゃんで低級民の地雷を踏みまくるやつらしい。


次はタバコが似合うパッツン髪のお姉さんが短く、

「良秀。4。よりょしゅく。…ぷっ。」

と、言った。

リョシュサ…日本語のよろしくと良秀をかけたジョークを言っている…どうすりゃいいんだこの空気。

資料によると戦いが大好き(オブラート)らしい。あと個人的な恨みを作っちゃだめと書いてある。


「ムルソー、そう呼んでくださいますか。5番です。」

そう、ガタイのいいオールバックの男が名乗った。

なんか全体的に硬く、機械みたいな印象だ。

ムルソー…あだ名はムル男だね。

資料にはクソ短く、明確かつ短い、個人に任せない指示をしろとだけ書いてある。ほんとにこいつ機械じゃないよね?


ムル男が席に戻り、全体的に茶色いお姉さんがこっちにきた。

お姉さんは俺のことを気にもとめず、ダンテの事を舐め回すように見て、ダンテが困っている。

ダンテがとりあえず頭を下げようとしたら、お姉さんが勢いよく腰を曲げた。

「管理人様が腰を先に曲げるなんてとんでもない。当職はウーティスと申します。以前のご無礼についてお詫び申し上げたく存じます。囚人番号12番です。」

ウーティスさん…ダンテの事を知っているみたいだ。当の本人のダンテは知らないっぽいけど。

資料には、お節介とのこと、そして1番気になるのが、過去の記録を閲覧できないと書いてあった。


最後はファウストさんだ。

「私が最後ですね。ファウストです。番号は2番です。」

ファウストさんの資料には、このバスの開発に携わっていることと、天才だって事が目立っていた。

俺とダンテが頭にハテナを浮かべていると、

「大丈夫です。経験を通じて徐々に理解できるようになっていきます。」

とのこと。


全員の自己紹介が終わり、ヴェルが管理人のやることについて説明しようとした。

「あなた達は今紹介された囚人達と地獄紀行をすることになります。」

地獄って何??て思ってたらファウストさんが口を挟んだ。

「今紹介したと言うのは正しくないかもしれません。なぜなら管理人が二人に増えたから、他の囚人も何人か雇う事ができるでしょう。」

「そうですねファウストさん。ですがこの話はあとでにしましょう。今は管理人の職務について説明させてください。」

他にも人が増えるのか…おぼえられるかな…

「地獄の先には宝物が待っています。あなた達が記憶を取り戻したいなら、その宝物をとってきなさい。」

俺たちがまだ理解していないととり、ファウストさんは

「ダンテ。全ての任務を終わらせれば、あなたは星位を刻む事ができます。それにあくま。あなたは望んでいたモノを手に入れることができます。私が保証しましょう。」

…記憶はないけど悪いものじゃなさそうだから、首を縦に振った。ダンテも縦に振ってる。

それを見てヴェルは話を続けようとしたが窓の外が動いていないことに気づいた。

「カロン、どうしてさっきから出発していないんだ?寝ているのか?」

カロンちゃんは眠くないと言った。続けて

「メフィの前にへんなやつらがうろうろしてた。」

と、答えた。ヴェルは変な事が起きたらすぐに伝えろと、カロンちゃんに説教している。

だが、俺とダンテはメフィという聞き慣れない単語に顔を見合わせた。

ファウストさんは、メフィはこのバス、メフィストフェレスのこと、そしてファウストさんの力作と教えてくれた。

ヴェルは地獄を旅するのに相応しい名前ということにダンテと俺に同意を得ようとした。

正直記憶にないので分からないと答えてみた。ダンテは何も答えず窓の外を見ていた。

ヴェルは外のやつらをみて、指揮の練習にはちょうどいいなと呟き、ファウストさんが戦闘の仕方を詳しく教えてくれると言った。

「このままの戦闘だと何回でも苦痛を感じながらダンテが時計を回し、あなた達は苦痛を味わいながら私たちを蘇生するでしょう。」

…やっぱり気絶しかけながら見たあの光景は生き返っていた囚人達だったのか。

ヴェルは今すぐには必要ないといい、俺たちに命令するように言った。

「お前ら、全員下車。」


…To be continued 

Saya家のバスは今日も騒がしい

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