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「失恋から立ち直らせてくれたミーム」
今から僕は泥だらけのミームを持ち帰る。
持ち帰る、と言っても生命を飼うということだ。
生命を飼う。
これはかなり難しい。
でも僕は飼うと決めた。
意思は曲げない。
“ぜったい”
帰り道。
僕は猫砂やトイレシート、小さ目な猫用ベットを買おうとスーパーによった。
あ、あとキャットフードもだ。
ついでにチュールも。
やっぱりミルクも買っとくか。
いや、おもちゃも買っといた方がいいか。
とりあえずもろもろ全て買った。
値段は….
聞かないでくれ。
やっと家についた。
今日はどっとつかれた。
もう何もしたくない、
ところだか。
今の僕はひとりじゃない。
先輩に振られたからって、
自分勝手に行動はできない。
命を飼うのだから。
とりあえずミームを風呂にいれてやった。
軽く泥を落とすだけだが。
ミームを風呂に入れたついでに、僕も風呂にはいった。
とてもあたたかかった。
ミームの体をしっかり拭いてやったあと。
ミームに飯をやる。
もちろん猫なんて買ったことないので、どれくらいやればいいかなんて、
知る由もない。
とりあえずミルクでキャットフードをふやかしてやった。
ついでにチュールもかけてやろう。
ついでに鰹節も…
さすがにあげすぎか?
まあ初日くらいいいだろ。
ミームはとても美味そうにたべてくれた。
あまつさえ完食まで。
そしておかわりまで。
うれしい。
実は、
今、僕はパティシエの専門高校に通っている。
自分が作った料理が、
自分がどうすれば美味しくなるのかと考えながら作った料理が、
美味しそうに食べてくれる。
完食をしてくれる。
おかわりをしてくれる。
それが嬉しいからパティシエになろう。
そう思ったのかもしれない。
ただそれだけで僕は先輩に振られた気持ちを、
一瞬。
ほんの一瞬。
忘れることが出来た。
そんな気がした。
ミームとの新生活は楽しい。
きっとこれ以上に幸せなひと時はないだろう。
そしてミームと過ごしてわかったことがある。
・嬉しい時は二足歩行になり両手を左右に振る
・猫パンチは強烈。
・ダンスを踊る時がある。
・キャットフードが大好き。
その中でも1番はダンスだな。
僕が辛い時。
先輩に振られて傷心中の時。
何もしたくない時。
死にたくなった時。
ミームは僕をなぐさめた。
両手を左右に振りながらジャンプした。
猫と思えない姿だった。
だけど。
僕はそのミームの行動に。
励まされた。
勇気を貰った。
生きる気合いをもらった。
生きてていいんだ。
そう思いえた。
先輩に振られた僕でも。
まだ先輩を綺麗だって思ってしまう僕でも。
生きる権利はある。
そうおもえた。
そして僕の心は立ち直った。