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朝学活開始のチャイムと同時に平気で遅刻してくる安東海心が話しかけてきた。-安東海心はクラスの中心的存在、他の言い方で一軍と言うのだろうか。海心はいつもドアの前で仲の良い子とゲラゲラ笑いながら喋っている声を聞きながら最近アニメ化したノベルを読んでいた。大事なシーンで話しかけてきたので少しイラッとした事は隠しながら返事をする。
「…なに?」
「あっ、青山さん?青山さんってクラスライン入ってる?」
あぁ。私は理解した。クラスラインの話。私はクラスラインに入っていない。入った所で会話する訳でもないのに、入る必要が無い。どうせ入ってない私を嘲笑うのだろう。
「あ、入ってないよ。」
「…ふっ、ん。え、入らなくていいの?青山さん以外みんないるけど…」
やはり予想どうりだ。
「いいよ、入る必要ないし。」
「ふ、ふーん。じゃ。」
なんの会話だったのかイマイチ分からないまままた読書を始める。海心は仲の良い友達の方に行ってコソコソ喋っている。私の事だろう。くだらないと思いながら耳に留めておく。
放課後になると、五月蝿かった教室が一気に静まり返る。同じクラスの宮部くんが私の机でなにかしている。宮部くんはクラスの人気者でいつも宮部くんの机にはたくさんの人が集まっている。そんな宮部くんが私の机で、なにかしている。机の中になにか入れた。私はずっと見ていると宮部くんが気づいた。すると、
「言っておくけど、嫌いだから。」
そう言った。―宮部くん、私は少しだけ、宮部くんが気になっていてた。国語の時間で本を選んで班のみんなで紹介紹介し合うという授業。私と宮部くんは同じ班だった。同じ班だった、細川さん、山下くん、永山さんと紹介しあった。私は1番最後だった。私が1番紹介が上手だった気がした。
その予想は的中して、私が班のチャンピオンになったあと、班のチャンピオン同士で競うことになった。私は結局2位だった。1位は安藤さん、海心がだった。悔しかった。対して本を読んでなさそうな人がチャンピオンになるなんて。私はショックを受けた。でも、落ち込んでる私に声を掛けてくれたのが宮部くんだった。優しい声で。「大丈夫だよ、青山の紹介すごい良かったし。確か、南野慎吾さんのチャット だったよね?感動するんだっけ。見てみようかな。」って言ってくれた。嬉しかった。私には。友達のいない私には。嬉しかった。
「うんっ、ありがとう」今までになかったような笑顔で、そう言った。もしかしたら、私のことが好きなのではないか。そんな期待もしたのに、私はただただ悲しく、机に入っていた手紙を読んだ。手紙には、こう書いていた。
『あおやまさんへ、んーなんて言ったらいいのかな。タナベの授業あったじゃんか、ガチでめんどかったやつさたしか青山さん、きんしょうのがしたよね?ラッキーなことにわたしが金賞だったんだけどね、いっしゅうかんごに紹介してくれた本貸して欲しい! 安東』
なにこれ、見づらいし、それになんで安東さんが?そう思っていると1つの恐ろしいことに気がついてしまった。『、』の後の頭文字をとって行くと、『あんタガきラい』になっていることを。
怖くて、私はすぐに門を出て家に帰った。その後の記憶は覚えていない。