いつものように俺は家に帰ってきた。
古風は、委員会の仕事で遅くなるそうだ。
春「ただいまー」
「ガチャ」
家の扉を開けると見知らぬ靴がある。
(古風が買ったのか?)
そう思いながらリビングの扉を開ける。
その瞬間目を疑った。
春「え?」
目の前には親がいた。
俺は不思議そうに親を見つめた。
「す、すみません家間違えました。」
咄嗟に父親がそういいソファーから立ち上がる。
春「ちょ、ちょ待って」
「すみませんでした」
春「いや、まじで待って」
「な、なんでしょうか?」
俺は必死に父親を止めた。
春「俺だよ、春だよ」
「すみません、人違いです」
何がなんでも信じないようだ。
春「ほんとに!じゃあ、スマホで電話する」
親がそばでモジモジしてる中電話を鳴らした。
「ブブブブ」
父親の携帯が鳴り響く。
「え?」
父親は再度俺の顔を見た。
とりあえず両親をソファーに座らせた。
「本当に、春なのか?」
未だ疑ってくる父親に1連の出来事を伝えた。
春「てか、逆になんでここいるの?」
俺は聞いた。
「私たちね最近家戻れてないから予定合わせてサプライズするつもりだったの」
口を開いたのは母親だった。
母親は俺の話を疑いもせず既に馴染んでいる。
「ほんとに春なんだな?」
こいつは一生疑ってきそうだな。
春「ほんとに!何故か女の子になったの!」
小さい体で怒る。
今の俺はいくら怒っても怖くないが。
「いや〜、本当に春だとしたら随分可愛らしい顔だなぁ」
未だ現実を受け止めようとしない父親に呆れていた。
母親は意外とリアクションが薄い。
母親が話の続きを始めた。
「ほんとにごめんね春、最近仕事忙しくてこれからも帰れないかも…」
「だ、大丈夫だよ」
悲しそうな顔をした母親を宥めた。
三「ただいまー」
聞き覚えのある声と共に扉が開いた。
父「え、だれだ?」
反射的に父親がリビングの扉に目を向ける。
「ガラガラ」
三「あ〜、疲れt」
古風が言葉を止めた。
2人はお互い目を向かい合わせてる。
父「こんにちは…」
三「こんにちは…」
話しかける言葉がそれしかないのか父親よ。
父「三奈さん、でしたっけ?」
三「はい、そうですけど」
このまま話を続けても埒が明かなそうだ。
春「ごめん、父さんには言っておくの忘れてたね、三奈は、うちに通ってる…今は住んでいるんだ」
そこで母親もこちらに目を向けた。
母「住んでる?」
春「そ、そう、もう住んでもいいんじゃないかなって…」
母「ん〜、まぁ住んでもらった方が春も安心だし三奈ちゃんしっかりしてるから大丈夫ね。」
意外と乗り気な母親に驚いた。
父「情報量多くて分からない!」
そう嘆く父親。
とりあえず一旦整理するために全員でテーブルに着いた。
父「ってことはお前は本当に春で、三奈ちゃんはそれを面倒見てるってこと?」
理解力のない父親を「そういうことでいいよ」と流す。
母「申し訳ないね三奈ちゃん」
三「いえいえ、前よりも楽しいです!」
三奈が元気に返す。
父「いや〜自分の息子がこんなに可愛いくなったとは、信じ難いな」
母「ほんとそうね〜」
親からも可愛いと言われ少し頬を赤くした。
父「2人の娘が居るみたいだなw」
春「ちょっと父さん…」
もっと恥ずかしくなった。
母「あ、そうそう、お土産持ってきたよ」
そういい母が鞄から和菓子を取り出した。
(海外のお菓子じゃないのか…)
そんなことを思いながらお菓子を冷蔵庫にしまった。
父親たちを下に寝かせ一日がたった。
春「今日学校だからもう帰る?」
母「そうするわ、邪魔してもあれだし、とりあえずまた来るからね」
そう言い残し父親と共に家を出た。
春「ふぅー、帰ったか」
三「もうそろそろ学校だから早く支度しないと」
春「そうだね」
俺は急いで支度を始めた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!