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テラーノベル(Teller Novel)
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本部についてからは皆バタバタと慌ただしく駆け回った。

報告を受けていたMainyがエントランスで待ち構えており、スグにSellyをストレッチャーに乗せると緊急治療室に入って行った。

RasとMondoは不安な顔をしながら、その場で立ち尽くしていた。見かねたありさかが、「二人共、浄化しに行くで?nqrseが医療室おるからはよ行っておいで~」と浄化を促した。


医療室に入り順番に浄化してもらい、もう遅いからという理由で寮に帰らされた。

部屋に戻るとRasはZederに、MondoはCptに何があったかを聞かれたが、とても話せる気力も無く、さらっと話を流しベッドに寝転がった。

雰囲気を察してか、二人もそれ以上聞く事は無く就寝した。


翌朝

いつもは起きない様な時間に目を覚ましたRasは一人、医療室のある建物へ向かった。昨日の内に緊急治療室から通常の病室に移ったのだろうか、病室のボードにはSellyの名前があった。

寝ていると悪いから、ノックはせずにゆっくり扉を開けた。

カラカラと音をたて開く扉をまた、ゆっくり静かに閉めSellyのベッドの隣に座った。

最後に見た時と同じ落ち着いた顔でスヤスヤと寝息をたてている。

Mainyの治療術は凄いと評判だ。スキルからなのだろうか、傷口が見えなくなるまで治療が可能だという。

綺麗な腕に傷が付いてたら…と思いそっと腕を見ようとしたRasの背後から、「寝込み襲うの?」と低い声で問いかけられた。

ピンッと耳を硬直させ、後ろを振り向くとMondoが扉に体重をかけこちらを見ていた。

「何やってんだよ、Sellyって男でしょ?男襲うの見るのも嫌だけど」と言いながらRasの隣まで歩いてきた。

「ち、ちがうよ!傷跡残ってないか確認するためだって!」焦りながら、それでもって起こさないように小声で必死に説明するRasを横目に ふぅーん と興味無さげに言うとRasの隣に椅子を持って行き座った。


自分だけでは無く着任当初は喧嘩しそうだった人がこんなに心配するなんて…とRasは少しムッとしながら、

「仲悪いと思ってたけど?」と皮肉ぽく聞くと、“色々”と察したMondoがイタズラぽく笑い、

「一緒にお茶する位仲良いけど?」とわざとRasを煽った。

煽られたRasはワナワナとしながらも、言い返せずにいると、Sellyの布団が少し動いた。

「ん…?Ras?」

目が覚めたのか薄らと目を開け、Rasとその隣のMondoの存在を認識する。

「任務は終わったの?」

自分の体調より先に任務を心配するその言葉に、やっぱりSellyはSellyだなと思いながら「終わったよ、メデュ達がヘルプで来てくれたんだよ!」と昨夜あったことをSellyに話し始めた。


一通り話終わったRasにSellyは

「昨日マジで悪かった、こんななるって思わなくて」と申し訳なさそうに伝えるSellyに 何かあったのなら話を聞く というその言葉が出ないでいると、「ごめん、Ras…。ちょっとMondoと二人にして欲しい。」と告げられた。

「OK~」と元気よく返事をし病室を後にした。

病室の扉が閉まった瞬間、Rasの心臓がズキリと痛くなった。

(俺には言えないことなんだ…)生理現象のように涙が出てきたのに驚き、服の袖で拭いながら部屋に戻った。


二人になった病室でSellyは聞きそびれた事を聞こうとしていた。

なんとなく、何をしたいか分かっていたMondoだが、こちらもイタズラぽく「あーRasより俺の方がいいの?」と言ってみた。

その言葉に一瞬渋い顔をしたSellyだがスグに「そんなんじゃないって、お前何か隠してるんじゃないの?」

遠回しに聞いてもはぐらかして来ると確信したSellyは直球勝負に出た。

自分の冗談を流されて面白く無さそうにツンとした表情になったMondoは

「誰かに何か言われた?」と探ってみたがSellyは心理戦も強いのかのらりくらりと躱される。


痺れを切らしたMondoが「明日、昼過ぎに俺の部屋来てその時話す」と伝えた。

Cptは最近ジムにハマってるのか昼過ぎになると必ずジムに行く。

その時間が一番都合がいいのだ。

Mondoの提案を受け入れ、「分かった」と返事し、俺まだ眠いから寝るわと布団を被った。


布団を被るSellyを見、これ以上話すことは無いって事かと判断したMondoは部屋を出た。

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