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7

kn×sh 君の涙と僕の夢 後編

♥

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2023年09月29日

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借金組



視点:『』 視点以外:「」



**********************

kn視点


…いつの日だったかな。

君が毎晩、俺のせいで泣いている、と言うことを知ったのは。


「…幸せだけど、辛いんだ」

「幸せだから…、辛いんだ」

「幸せには、終わりか、絶望か、悲しみか…どれかが必ず、存在するから…」


『シャケは、今、幸せなの?』

「………うん」

『だから、幸せが壊れるのが怖くて、泣いてるの?』

「っ、うん………」


つまり、それは…

俺が…

君を幸せにすると同時に…

君を、泣かせてしまっていたってこと…?


「幸せが長く続けば続くほど、辛いことの“辛さ”の度合いが、大きくなっていってる感じがして…怖いんだ。きんときと一緒に居たいと、思えば思うほど…辛くなって…‼︎」


『………』


驚いた。

君が、そんなにも考え込んでしまっていたなんて。


『…大丈夫だよ』


じゃあ…泣かせてしまっていたお詫びとして………




…俺の、夢の話でも、してあげようか


**********************


そのとき君は、

“分からない”とでも言うかのような…不思議そうな顔をしていたね


小さく、「そうなんだ…」と、呟いて

「じゃあ、お互いにお互いに関してのことで、」

「苦しんでたってことなのかな」

『そうだったら、なんか…良いね。』

『お互いがお互いに翻弄される…みたいなw』



「…苦しむのは、…………嫌だけどな」


君はまた、涙を流す。

キシ、と小さく音を鳴らして、

俺が、君を、抱きしめる。

君は俺の肩に頭を乗せて、ひぐ、と小さく声を漏らす。


………愛らしくて、堪らなかった………



**********************


そこから、一緒に住むまでに、時間はかからなかった。


君は恥ずかしいと言って一緒には寝てくれなかったけど、毎日見れる、君の寝顔。

君が一定のリズムで呼吸をする…それだけで、俺は幸せで満たされる。

“おはよう”とお互いに言い合って

君と一緒にご飯を食べて

毎日、少しずつ違う、日常を

君と共に過ごしていく


なんて、

幸せなんだろう…




でも、君の言った通りだった


俺の幸せには、悲しみが伴った。

…嫌な夢


良い夢を観る頻度より多く、嫌な夢を観るようになった。


現実には大好きな君が居てくれる、それを理解しては居たけども

現実にいれば、眠らなければならなくて…

眠ればまた、あの嫌な夢を観ると言う恐怖に、蝕まれて…




ごめんね、シャケ。

裏切るような事して…。


**********************








………………良い夢の中にも、欠点はある。


それは、声。


君の愛らしいその声が消えていた。



おはようの、その声も

いだだきますの、その声も

俺の名を呼ぶ、その声も

全部、全部、全部、全部、全部、全部…


全部っ…………‼︎





聴こえなくなった…。







はは…



君の声が聞こえないんだったら…

この夢も



悪夢のうちの


一つじゃないか……………




そろそろ我慢の限界だ…。


君のその、愛らしい声が…聞きたくて、堪らないんだ………





俺は…すう、と、瞳を開いた

**********************

sh視点



君が眠り始めて…1週間が終わった。


君の穏やかだった顔が、少し…苦しんでいる顔に変わって…


俺は、彼の手を…強く、強く…

握った………。

『っ…』

『きんときぃっ………』


俺の涙が、君の手に落ちて…








君は、すぅっと、目を覚ました



**********************



sh)‼︎

sh)きんときっ…⁈

kn)………シャケ…

sh)きんときっ…お前‼︎…夢の中で何してたんだよ…‼︎

sh)俺っの、事…おいてっ……‼︎

kn)…ごめんね………シャケ


シャークんはボロボロと泣きじゃくって

きんときは、うすら涙を、浮かべてた…。


kn)シャケ、………おいで?


きんときが、腕を広げて俺を呼んだ。

シャークんは…ぐ、としゃくりを飲み込み、きんときの腕の中に飛び込んだ。

わあぁと大きな声で泣きじゃくるシャークんを抱きしめて…


kn)夢なんかよりも…現実が、いっちばん…幸せな空間なんだね…



きんときは、微笑み涙ぐんで、



そう、言った………………






END

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コメント

2

ユーザー

読んでて一緒に涙しました。良い作品をありがとうございます。

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