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手紙 〜姫君たちの夜〜

手紙 〜姫君たちの夜〜

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オーロラ姫

♥

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2022年09月19日

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僕の守るこのお城の奥深くで

永遠に眠り続けると思っていた貴女は

いま太陽の下で輝くばかりに笑っていますね。

その笑顔が僕に向けられるたびに

あぁお守りしてよかったと、

つくづく胸を撫で下ろすのです。

私の鋭い刺や頑丈な茎のバリケードで

貴女を守る力のない者は全て撃退してきました。

当たり前です!

悪い魔女にかけられた呪いは

僕の棘なんかよりずっと強力なんですから

僕に負けているような者には

貴女を渡せません!


僕はこの気品高く高貴に匂う花びらと

近づく者は容赦なく傷つける刺のせいで

高飛車で傲慢な花だと思われていますが

実際はこの世の美しいものすべてを愛し

愛する者には我が身を犠牲にしてもその愛を貫く

一途な花なのです。

だからこそ

こんなに美しいオーロラ姫を

100年もの間守り続けました。


いまこうしてオーロラ姫が

光を放ちながら僕の花園を散歩する姿が見れて

本当に幸せです。

この城の時が動き出したため

僕の人生はあと少しとなりました。

この真紅の花びらも

明日には茶色にくすみ

醜く萎れていくことでしょう。

でもいいのです。

オーロラ姫の時間が動き出し

貴女が幸せに満ち溢れた日々を

笑顔で過ごせているだけで

僕は満足です。


さようなら、オーロラ姫。

いつまでもお美しく

幸せに過ごせることを

心から祈っています。

貴女の真紅の薔薇より

愛を込めて🥀

手紙 〜姫君たちの夜〜

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