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気分投稿となります
本が好き
家族が好き
食べ物が好き
自分が好き
アニメが好き
学校が好き
友達が好き
あらゆる物に好きがある。
ワタシはそんな好きをたくさんの人に知って貰いたかった。
だから小さな画面の中で好きを叫んで皆に良さを広めた。
コメント欄には「いいよね! 」「わかるー」という共感の言葉達。ああやっぱり好きはいい。
ワタシの好きは一人のアイドル。
かっこよくて、でもたまにおっちょこちょいでそれでいてクールな彼に惚れた。
彼のグッズはコツコツコツコツと溜めて自分の部屋に飾る。毎日が幸せだ。
いつしかワタシは彼に好意を向けるようになった。
愛おしい、今にも壊してしまいそうなほどの愛で抱擁してあげたい。
彼にはワタシしか要らない。
彼の一番がいい。
小さな画面は徐々に闇に埋もれた。
「彼の一番はわたし」
そんな言葉が目に入った。
返信を開く というところをタップして見てはダメだという恐怖で震えながらその文字を一言一句見逃さずに読んだ。
好きを否定された。
慣れていた筈だった。
厳しい母は
こんなものなにになる、気色が悪い
否定され続けられていた。
なのに、
なんでこんなに目の前が真っ黒なのだろうか
ワタシはそのコメントを打つ所謂アンチのアイコンを押した。投稿がズラリと並んでいる。一つ一つ丁寧に見ていった。すると見覚えのある駅の名がそのアンチであろう女の背後にあった。
見てみれば見てみるほどこいつがどこにいるのか分かってきた。
ワタシは真っ暗な視界のまま、目的地に向かう。
ねぇねぇ
はい?
あなたカレのファン?
…だったらなんでしょうか
あなたカレのことどう思っているの?
大好きですよ誰よりも
そう、ならなんでワタシにアンチコメントなんてしたの?
あんたさっきのっ…?!
あのコメントが来てから真っ暗だった。
心もなにもかもが、真っ暗な筈なのに、なんだか温かかった。
低い体温
青い肌色
ピクリとも動かない体
服に染み付く赤い液
そうだよ、ワタシはカレがスキなんだから
それからはワタシの投稿にコメントしてきた共感者と片っ端からナカヨクした
会ってナカヨクして、会ってナカヨクして
月日が経っていつのまにか鉄格子の中で静かに眠っていた。
スキといことを肯定することも否定することもできなくなった。
28人
この数はカレの誕生日だ。
雑になりました
短編一次創作です