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虹色のハンカチとか落ちてたらどうなるんだろう(? 一緒に住んでる人が多い物に自分の名前付けて可愛がってたら気が狂いそうだ...赤くん凄いな...。 幻覚の人形を見つけた赤くんが家に帰ったら、同じ屋根の下でお互いハンカチを愛でているシュールな状況が出来上がるのか...?
これいつまで書いてんやろね1週間経っとるわがはは
最後ちょっと無理やりになっちった…🥺
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人魚
1人の人魚を飼った
川の縁に横たわっていたから持ち帰った
川なんて普段来ないのに、歌声が聞こえてつい言ってしまった
とても大切な人の声のようだった
持ち帰ったのは可哀想だからなんて理由ではなかった
なんで持ち帰ったなんて今になっても分からない
人魚は思ったより小さく少し大きい金魚の倍ぐらいの大きさだった
何も喋らないからただぼーっとどこかを見てるだけ
目まである長く赤い前髪であまり見えなかったが髪の隙間から見える真っ赤な瞳はすごく綺麗だった
その人魚にりうらと名ずけ、りうちゃんと呼び可愛がった
朝起きてご飯を食べて仕事着に着替えて仕事に行く
仕事から帰り、部屋着に着替えてご飯を食べて風呂に入る
髪を軽く乾かしたら寝室に入って水槽を眺める
眠りにつくまでずっと
これが終日の流れになっていた
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「ねーねー…ほとけっち〜、」
「それ、俺じゃないんだけど…、」
いつからかほとけっちがおかしくなった
赤いものを持ち帰ってくると人魚に置き換えて「りうちゃん」と呼び、大事にする
今回は赤く細長いハンカチだった
大抵4ヶ月もすれば我に返るのか、なにしてんだろと捨てに行く
長くて半年、短くて1ヶ月
その間俺はいないものとして扱われる
それこそ俺と「りうちゃん」を置き換えるみたいに
我に返ると一目散にこっちに寄ってきて泣きながら謝ってくる そして一夜を過ごす
逃げたくてもこれがあるからいつまでたっても逃げられないでいる
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前に1度なぜ拾ってくるのか尋ねたことがあった
俺が「りうちゃん」になっているときだ
彼は言った 俺が「りうちゃん」のはずなのに目線を合わせずに
「りうちゃんの歌声が聞こえた
なんかいつも海とか湖とかの水があるとこから聞こえるから歌って助けてって言ってるみたいで」
そこから彼の中の「りうちゃん」はそのガラクタになるみたいだった
悲しい寂しいなんて感情もとうに無くなった
1度「りうちゃん」を捨てたことがあった
そうするとほとけはとても怒った
俺を無言で殴り蹴ってスッキリしたのか部屋にはいった
2、3日部屋から出てこなかった
出てきたと思ったら俺が「りうちゃん」に戻っていた
戻ったけどもう殴られるのは嫌だから捨てるのはこれで最初で最後にした
もういっその事俺もほとけみたいに何かを代わりにしようか
玄関のドアを開けると冬らしい肌寒い空気
ハンカチに夢中なほとけを横目に見て外に飛び出した
いつもは通り過ぎる川の傍
いつもどうり通り過ぎようとした時川の方から声が聞こえた
声と言うより歌声だ
無意識に足が向いて川の傍に行く
そこに水色の何かがいた
ほとけっちがあぁなる理由がわかった気がした
確かにこれは見過ごせない
俺の手のひらの上にはほとけみたいな人魚が眠っていた