…しかし
衝撃があった。空の口に。
「ぐっ…うああああ!!」
蛍術師は、パイモンを攻撃すると見せかけ、空の口を攻撃したのだ。
(痛い!痛い痛い痛い痛い!)
自分のあげる悲鳴で開かれる口が痛い。ビリビリと裂けていくような感覚がする。血がボタボタと地面に落ちる。
「仙人を呼ばれると厄介だから。」
蛍術師は嗤う。
「空!!空!!!!」
パイモンが叫び、空のもとへ近づこうとする。蛍術師は自らの腕の中で暴れるパイモンを鬱陶しそうに見つめ、遠くへと放り投げた。
「静かにしてもらわないと困るわ~。折角、私は今優勢なのだから。こんなチャンス、滅多に…いえ、一生無いかと思っていたもの。」
蛍術師はパイモンを威圧するように睨んだ。パイモンは、ヒュッと息を飲み、そのまま動けなくなってしまった。
(こいつ、今まで旅人が会ってきた蛍術師の中でも一番強いんじゃないのか?…そういえば今日の依頼…討伐対象は確か…)
思い出す。
時は遡り、冒険者協会にて。
コメント
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パイモン、、、