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テラーノベル(Teller Novel)
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私の名前は 壽美 蘭那 。

楽しい高校生活を送っている…はずなのに


入学初日、親友の心愛と同じクラスにはなれなかった。

私達が知り合ったのは中学の時。たまたま3年間同じクラスだったこともあり、今じゃ大親友だ。

私達はいわゆる お嬢様 で、中学の時はお嬢様学校に通っていた。が、高校は新しい学校生活を送りたいということで公立の学校に行くことにしたのだ。

私と心愛は学校では人気があった。男子からの好意は勿論、女子や先生からにも人気があり楽しく青春を満喫していた…

事件が起こったのはその頃。私のクラスに新しく 和可菜 琴音 という子が転校してきた。彼女は、ぱっちり二重で声も透き通るよう。私も一瞬惚れたぐらいに綺麗だった。だが、それもつかの間、琴音は休み時間になるたびに自分や自分の家の事をすごく自慢してくる。「私のお父様は大手企業の社長なのよ」とか、「私、渋谷とか歩いてるとぉ、モデルのスカウトとかもらっちゃうの〜」とかそういう自慢ばかり。まぁ、琴音は綺麗だしスカウトぐらいいつもの事だろう。見た目もお嬢様みたいだし、お父さんが社長でも変じゃない。と、みんな思っている。でも私と心愛は気づいてしまったのだ。

いつものように私と心愛は一緒に校門を出た。私の執事の車で心愛も送り迎えしているのだ。

「ねぇ、蘭那 これから私の家でお茶しない?」

「心愛の家で?いいわよ 楽しみ」

という会話を交わしながら車に乗った。

「執事、心愛の家の前で降ろしてくれる?お茶するの 帰りはまた連絡するわ」

「かしこまりました。」

執事に放課後心愛とお茶をすることを伝え、ふと窓の外を眺めた私はとても驚いた。

琴音がいたのだ。そこまでは驚かないだろう。私が驚いたのは…

 琴音が徒歩で帰っていたこと

だ。私と心愛は中学の時から車で送り迎えをしてもらっていたし、一度も歩いて登校したことなどない。そして、この学校は自転車や電車で通うことになっていて、徒歩で、登下校している人など他にいないのだ。一瞬、(琴音は電車通学で、駅まで行くために歩いているのね)と考えたが、琴音は駅に行くための道とは違う道をあるいていた。電車を使う人はだいたい決まっている。学校から見て、南、北側に住んでいる生徒は電車通学。その他に住んでいる人は自転車通学だ。

確か琴音は学校から見て東側に住んでいると言ってたはず。なら、自転車通学が普通じゃないか…

私はとても気になった。

「では、出発しますね」

「ちょっと待って、執事」

「はい。どうしました?」

「あの子を追って」

「あの子をですか。分かりました」

執事はすんなりOKしてくれた。まぁ、この執事は昔から私に甘かったから。

「琴音を追うの?どうして?」

心愛が聞いてきた。

「見て、心愛 琴音歩いて帰っているわ

どうしてかしら?」

「あら、本当。私達の学校は自転車通学が一般なのに…。自転車持ってないのかしら」

 自転車持ってないのかしら…

その一言で私達の琴音に対する思いが変わった。

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