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( ᐛ👐)パァ
謎の物語(ママ目線)
「生まれたばかりの子供には、お母さんのお腹の中にいたときの記憶が残っていることがあるらしい」
勤めている職場の先輩から聞いた話。
そんなわけ、と半信半疑だった私に先輩は本を貸してくれた。そこにはこう書いてある。
「小さい子どもたちに、『ママのおなかの中にいたときのこと覚えているかな?』などときくと、三歳ぐらいでは約三割の子どもたちが、『あったかかった』『ぐるぐる回って泳いでいた』『キックした』『ママの声が聞こえてた』などと話しはじめる。」
私はまさかと思い、興味本位で初めてちゃんと生まれ育った三歳の息子に聞いてみた。
「ねぇ生太、生太はママのおなかの中にいた時のことって覚えてる?」
「…」
まぁ、分かるわけないか
「ごめんね、変なこと聞いちゃった。なんでもな、い…」
「───」
な、何よ、その微笑み…見たことないんだけど…私は不気味に思いながらもニコニコしながらお夕飯の支度するね、なんて話をそらそうとした。
が─
「覚えているよ、ママ」
「…え…?」
三歳とは思えないほどはっきりとした口調。私は全身が硬直する。まさか、そんな…
「僕が生まれる前、僕はママのお腹の中を探検していたの。そこには、一番目のお兄ちゃん、二番目のお姉ちゃん、三番目のお姉ちゃん、四番目のお兄ちゃん、五番目のお兄ちゃんがいてね、」
みんな、すごくいいこたちだったんだよ。
満面の笑みでそう言う。一方で私は冷や汗が止まらない。
「でもね、みんなは生まれる前に〇んじゃったり、生まれてすぐに〇んじゃったり…本当に可哀想だった…だから、僕が代わりに…」
そこで話が区切られる。何よ…なんだって言うのよ…
「ねぇママ、誰がみんなを〇したの?ママなら分かるよね?」
まだ笑っている。でもその笑顔の裏には、強い復讐心が宿っている。私は恐怖でたまらず叫んだ。泣き叫んだ。それでも息子は笑っている。
興味本位なんかで、聞くんじゃなかった。
( ᐛ👐) パァ