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第10話 無題
異変に気付いたのは中学二年生の夏ごろからだった。
「みんな~おっはよ~!!」
朝はいつものようにそう言った。
すると、
み「、、、、、、、。あ、日向、、、」
三月と日向は、何やらコソコソ耳元で話してから、
ひ「うん、、、!行こ、、、。」
そう言って私の前から去っていった。
(これは、絶対私の声が聞こえなかったからだよね!)
初めは、余り不審に感じなかったのだが、、。
放課後、いつもなら私と日向で一緒に行く筈の美術室にも、
「あ、日向!一緒に行こ―」
み「じゃあねぇ~~~!!」
ひ「天音ちゃんも、部活頑張って~~!!」
と軽く会話して日向だけ行ってしまった。
(え、、、?どういうことなの、、、?)
私は日に日に考えるようになった。
家へ帰ってきても、
(なんでなんだろ?私が何かしたのかな、、、?
最近は移動教室も、給食も一人で活動するようになったし、、、)
お母さん(雫~~~ご飯できたわよ~~)
「は~い」
なかなか思い当たる節が見当たらなかった。
が大きな問題が起こったのは、その翌日の事だった。
「おはよう~~!」
またいつものように、挨拶してみたのに。
昨日と同じく返事をしてくれなくなっていた。
み「うっ、、、、、うぅぅぅ、、、、」
と、突然三月が泣き出してしまった。
ひ「天音?!どうしたの?!」
日向が慌てて歩み寄る。
み「しずくに、、、、、恋人、、、取られたの、、、。」
ひ「は?」
自分も思いのつかない言葉が出た。
恋人、、、、?そんなのいるわけがない。
「な、、、何言ってんの?恋人は居るわけないじゃん?!」
み「この嘘つき!!」
「え、、、、?」
どういうことだかさっぱり解からない、、、。
クラスの皆も、ザワザワし始めた。
み「とにかく、もう私たちに寄ってこないで!!」
そういって二人はどこかに去った。
その日は、二人の様子はなく
後から先生たちが、二人が熱があるみたいだから同時に帰ったよと報告があった。
(熱なんかないくせに。)
次の日からは皆から雑菌扱いされて避けられるようになった。
休み時間になって、男子からモップで払われて、水を掛けられて
体育の時間ではペアを作るときも避けられていつも先生とだ。
体育主任の先生は男性ということで、『媚売り男好き女子』と名付けられたりもした。
そして、私の親とも仲が悪くなってしまった。
お母さん₍あんた、最近日向ちゃんたちに酷い事したんですって?!₎
「そんなことしてない!!」
お母さん₍そのせいで、休みがちなんですって。₎
「は?」
お母さん₍友達なのになんてほったらかしな!!酷いじゃない!!
これから、ご飯は作りません!!」
「なんで、、、、、!!」
お母さん「当然でしょ。もう、頑張って育てた子なのに笑いものじゃない!」
学校の皆に嫌われ、親にも嫌われ
もう私なんて生きてる価値なんてなくなった。
「死にたい、、、、。」
そう思い死のうとした。
その矢先だった。
その日は学校を帰宅し、テレビを見ていた時。
テレビでは報道番組が丁度流れていた。
今頃はアニメの時間帯なのになんだろうと報道番組を見ていると、それは事件のようだった。
と。
「●✖番地って、、、もしかして日向たちの場所じゃん?!」
そして、死者の読み上げが始まった。
と私の頭が闇に包まれた感覚におぼえた。
あの二人が死んだ?
想像も出来なかった。
その夜は一気に死にたくなった。
でも死ぬ方法が幼い脳で解らなかった。
それくらい、頭がどんよりと重たくなった。