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side深澤


木漏れ日が屋根に映って穏やかな春の朝。


普段なら気持ちいいと思うところだが、今日はそんなことは思えない。


穏やかな春の日差しが降り注ぎ、雲ひとつない青空だが、俺の心はどんよりと曇り空だ。


ほんの数分前のことだった。


「別れて欲しい」


突然、放たれたその言葉は俺の耳に入るけど、すぐに抜けていく。


信じられない。


ずっと一緒だって、告白されて付き合い始めたのに、


まさか、振られるなんて。


「なん…で……」


今の俺には、理由を聞くので精一杯だった。


「もう、好きじゃないから」


「もう話しかけないで」


その言葉は、俺の心に深く、深く刺さった。


「じゃあ」


その時の彼は、俺の知ってる彼じゃないみたいで、怖かった。


その気持ちからか、立ち去ろうとする彼の腕を掴んでいた。


「……離して」


「行かないで…」


「やめて…」


「やだ…離れたくない……」


「俺は、もう離れたい」


「もう行くわ」


また、立ち去ろうとする。


やだ。やめて。行かないで。


「待って!」


「何」


「これで、最後なら……」


「最後に、照の笑顔がみたい」


自分でも驚いた。


こんな言葉が出るなんて。


「……じゃあね、”深澤”」


そう言って、彼は立ち去って行った。


最後に見た彼の微笑みは、儚げで、今にも消えてしまいそうだった。


彼が放った言葉は、きっと、嘘じゃないだろう。


でも、心のどこかで、嘘であって欲しいと。


また、大丈夫だよって、抱きしめてくれればいいのにって。


そんな、あるはずもないことを思っていた。


でも、微かな希望を抱いて、待っていた。


彼は、来なかった。


俺の微かな希望は打ち砕だかれた。


もう、彼は戻ってこないと分かったので、帰ることにした。


歩き出そうとすると、1枚の紙切れが落ちていた。


拾い上げると、そこには、


5月25日 死亡


とだけ書かれていた。


見覚えのある字だった。


この字は、照の字だった。


なぜ、照の字が書かれている紙切れがここに落ちているのか。


なぜ、5月25日に死亡するのか。


誰が亡くなるのか。


そんなことよりも、この字は本当に照の字なのだろうか。


疑問が頭の中を飛び交う。


それよりも。


と、新たな疑問が浮かび上がる。


5月25日は、1ヶ月後の日付だった。


これが、もし照の字で、


照が持っていて、照が落としたとしたら。


嫌な考えが浮かび上がる。


頭が真っ白になる。


でも、そんなはずがないと、すぐに打ち消す


でも、もしも………


考えが頭の中で飛び交う。


どうすればいいのか。


そこで、俺のスマホが通知を知らせた。


『遊ぼ〜』


寂しがっている猫のスタンプと共に送られてきた。


送り主は、佐久間大介。


アニメオタクの同級生だ。


『ごめん。今そんな気分じゃない』


そう返すと、すぐに既読がつく


『はーい!!』


メールでも元気なやつだ。


と、思う。


まだ春先とはいえ寒い風もどんどん吹く。


一旦、家に帰ろう。


俺は、憂鬱な気持ちのまま、家に帰る道を進んで行った。




『はい!おっけーです!!』


その声がかかった途端、俺はその場にしゃがみこむ


「はぁ〜〜」


「だいじょぶ?笑」


照が来てくれる


「うん。大丈夫」


「深澤さん、岩本さん、こちらへ」


スタッフの人に呼ばれ、俺らは用意された椅子に座ってお茶を飲む


「……照はさ、こんなことになったらどうする?」


と、ふと思ったことを聞く


「……多分、問いただすかな。何があったのか」


「ふはっ」


照らしかった


「照ならやりそー」


「そう?」


「本当の照は、離れないよな?」


つい、寂しくなって言ってしまう


「当たり前じゃん」


そう言って、俺の大好きな笑みをくれた

SnowMan長編・短編集

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コメント

7

ユーザー

フォロー失礼します! 今にも泣きそうです、、

ユーザー

また戻ってきてしまいました( . .)"(((((また号泣してきます((いつもすいません💦

ユーザー

涙が止まらない

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