「私がティルダを手伝うのよ」

「！？」

「……？」

「ライラが……？」

人差し指をピッと立てたリタが、生き生きとした様子で説明する。

「そうよ。私が手伝えば、ティルダは体を大事にしながら仕事ができると思うの。どうかしら」

「ライラ嬢……提案は感謝するが、公爵家のご令嬢にそのようなことはさせられない」

「ユージーン王。これはティルダの一大事ですが、リタお姉様の一大事でもありますわ。それに……貴族の娘でも、必要とあらば、侍女の仕事をする方もおられます。公爵家など関係なく、私、この状況をお姉様の妹として助けたいんですの」

（ライラ……）

誠心誠意、ユージーン王を説得しようとするリタ。

「それに、ティルダはとても責任感があり真面目なんです。休むだけでは心苦しいという気持ちを、汲んでいただけませんか？お姉様も……ね？」

リタは私に身を寄せてくると、手を握りながら小声で囁いた。 ＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

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