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中也ぁぁ!!!はやく思い出して!!!お願いよぉ!!
太「……と言いましたけど、乱歩さん?」
乱「ん〜?」
乱歩は太宰に腑抜けた返事を返す。そして緑色の目で太宰を見た。
太「乱歩さん……それ、なんですか?」
乱歩が用意していたものは……電話。
電話だけじゃ大して太宰には聞かない。
だが、そこにあった電話番号は……
乱「ん?過去にお前が泣かせた人の電話番号だけど?」
太「乱歩さん?!!!」
信じたくなかったものが告げられて太宰の顔は真っ青寸前にまでなっていた。
そしてまた考え始め数十分
太「……と、言いましたけど…」
乱「ん?」
太「ほんとに戻す方法があるんですかね?」
乱「僕に聞くな。なんかないのか?
思い入れのある物……」
太「え〜、なんかありましたっけ……ぁ」
そういえば旗会の遺品を持ってたっけな。 それなら思い出すかな。 いや、でも仲間さえ忘れているんだからそれは無理……?
太「……わたしの事まで忘れちゃってさ」
消えそうなくらい小さな声でわたしは呟いた。乱歩さんはそれを察したのかわたしに話した。
乱「……中原くんってさ完全に
忘れてるのか?太宰の事。」
太「……?普通に忘れてるのでは?」
乱「……いや、どうだろうな。
もしかしたら……」
「…物で思い出させるんじゃなくて
”者”で思い出させるんじゃないか?」
太「物ではなく人……?」
乱「そうだ。」
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中「……ねぇ兄さん」
俺が兄さんに話しかけると、割れ物を
扱うよう優しく言葉を返してくれる。
ヴ「どうした?我が弟よ」
中「俺ってさ、昔どんな感じだったの?」
ヴ「……急にだな」
中「うん、だけど」
ヴ「中也」
兄さんの声が急に低くなる。
それに、兄さんはとても怒っているようだった。
中「……ごめんなさい。なんでもない」
ヴ「……そうだな。なァ中也」
今度は言い聞かせるように俺に話しかけた。
中「なぁに?」
ヴ「俺達は人じゃない。誰にもわからない
モノを抱えている。……今のお前にも
昔のお前にも理解者は居なかった。
ただただ、苦しんでいたよ。」
中「……そうなの?」
ヴ「そうだった。」
中「そうなんだね」
____俺に理解者は居ない。
その言葉に何処かホッとした自分が居た。
_____あの違和感が嘘だとわかって。
❤1000